「のみならず」と「限らず」はどちらも「複数の物事」に言及する際に使用する言葉ですが、詳細な意味合いが異なるため使い分けることが必要です。
この記事では、「のみならず」と「限らず」の違いを分かりやすく説明していきます。
「のみならず」とは?
「のみならず」は、ひとつの物事を限定したり強調したりすることを示す「のみ」と、断定の打ち消しである「ならず」を組み合わせた言葉で、「〜だけでなく」という意味があります。
文章の途中で使うほか、文頭で使用する場合もあります。
「限らず」とは?
「限らず」は、決まっていないことや断定できないことを示す「限らない」の活用形で、「それだけではない」という意味があります。
基本的に、直前に表現された状態を受けて「〜に限らず」のように用いられます。
「のみならず」と「限らず」の違い
次に、「のみならず」と「限らず」の違いを分かりやすく解説します。
「のみならず」は、「〜だけでなく」や「〜ばかりでなく」という意味を持ち、「AだけではなくさらにBも」といった意味合いで使用されます。
「限らず」は「それだけではない」を表す言葉で、「Aだけではなく他にも存在する」といった意味合いがあります。
「のみならず」は同等レベルの他の物事に対しても使用しますが、「限らず」の場合は比較的広い範囲の他の物事を示す際に使います。
「のみならず」の例文
「のみならず」は「AだけでなくさらにBも」という意味で使用されます。
「〜のみならず」のように文の途中で使われるほか、文章を区切った後の文頭で用いられることもあります。
ややかしこまった表現のため、日常会話ではなくビジネスなどのフォーマルな場で使用されることが多いといえます。
・『そのバンドは国内のみならず海外でも評価されている』
・『そのようなトラブルは職場のみならず家庭でも起こる恐れがある』
・『彼女は母にとって親友だ、のみならず習い事の師匠でもある』
「限らず」の例文
「限らず」は「それだけではない」「Aだけではなく他にもある」ことを示す言葉で、より広い範囲の物事について言及したい際に使用します。
直前の状況を受ける形で表されるため、「〜に限らず」のように文の途中で使うのが一般的です。
・『今は大人に限らず子どももスマートフォンを使いこなす時代だ』
・『自分に限らず多くの女性が更年期に悩んでいる』
・『彼は目上の人に限らずあらゆる人に対して丁寧に接している』
まとめ
「のみならず」と「限らず」は「〜だけではない」ことを示しますが、「限らず」の方がより広い範囲を表す場合が多いといえるでしょう。
両者の意味や使用方法を理解して、場面に応じて使い分けましょう。
ぜひ語彙力アップの参考にしてください。