「誤記」と「誤植」はどちらも誤りを表す言葉ですが、具体的にどんな誤りなのでしょうか。
この記事では、「誤記」と「誤植」の違いを分かりやすく説明していきます。
「誤記」とは?
「誤記」とは、「誤って書くこと」を意味する言葉です。
「マレーシア」と書くべきところを「アレーシア」と書いてしまうような誤りを指します。
文章の書き手による書き間違いに対して用いられ小説やレポート、案内表示や看板など文字の書き間違い全てに対して使われる表現です。
文字そのものの間違いはもちろん漢字の間違いや送り仮名のミス、日付や金額の違いも「誤記」に当たります。
「誤植」とは?
「誤植」とは、「印刷ミス」のことです。
印刷用の文字原盤を組み合わせて印刷物を作成する活版印刷において個別の文字が刻まれた原盤のことを「植字」といいます。
「誤植」とは「植字の誤り」に由来する言葉で、原本とは異なる植字を使うことで起きる誤りのような印刷ミスを表す言葉です。
「誤記」と「誤植」の違い
「誤記」と「誤植」の違いを、分かりやすく解説します。
「誤記」と「誤植」の違いは「ミスの責任」です。
どちらも完成した文字や文章が誤っていることを表しますが「誤記」は完成品のもとになる原本の書き間違いによる誤りなのに対し「誤植」は正しい原本を編集や印刷の工程で間違ったものにしてしまう印刷ミスによる誤り、という違いで区別されます。
誤りの責任が書き手にあるのが「誤記」で、誤りの責任が編集もしくは印刷の担当者にあるのが「誤植」という責任の所在が2つの決定的な違いです。
「誤植」は印刷物に対して使う表現なので作文やメモなど印刷していない手書きのものには使いません。
広義では印刷のズレやレイアウト崩れも「誤植」に含まれます。
「誤記」の例文
・『誤記を訂正する』
・『誤記がないかチェックする』
「誤植」の例文
・『第2版で誤植を修正する』
・『厳重にチェックしたのに誤植が残ってしまった』
まとめ
「誤記」と「誤植」では責任の所在が異なります。
同じように見えるミスでも実際は全く違うので覚えておきましょう。