昭和の時代に流行していたプロレスの世界では、レスラー同士のリング外の争いも見どころの一つでした。
そんな中で実況の古舘伊知郎氏がよく言っていたのが「これは後々まで遺恨を残すことになった」のような表現です。
それでは、この「遺恨を残す」とはどういう意味でしょうか。
また、「しこりを残す」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「遺恨を残す」と「しこりを残す」の違いを分かりやすく説明していきます。
「遺恨を残す」とは?
「遺恨を残す」とは、「いこんをのこす」と読み、一般的には「後々まで恨みが残るような状態」のことを表す言葉です。
しかし、「遺恨」の「遺」は残す、「恨」は恨みという意味なので、「遺恨を残す」という表現は「残す」が二重になるので間違いであるという意見もあります。
これは同じような意味で使われる「禍根を残す」に引っ張られた結果であると考えられます。
「しこりを残す」とは?
「しこりを残す」とは、文字通り「人間関係の中にしこりを残す」という意味で使われる言葉です。
この時の「しこり」とは感覚的には「モヤモヤしたもの」とか「わだかまり」のようなものです。
「遺恨を残す」と「しこりを残す」の違い
「遺恨を残す」と「しこりを残す」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、人と人との関係において、後に残るような悪い状況を表すという部分では同じですが、どこに違いがあるのでしょうか。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、「遺恨を残す」で後々まで残るのは「恨み」ですが、「しこりを残す」で後々まで残るのは「こだわり」ということになります。
したがって、「しこりを残す」に関しては、そんなに悪いことではなく、単に「引っ掛かり」のような場合もよくあるということです。
それに対して「遺恨」は「恨み」であることがほとんどです。
「遺恨を残す」の例文
・『今回の試合の結果は、二人の間に遺恨を残すことになるでしょう』
・『「遺恨を残す」という表現は誤りであるという見方もあります』
「しこりを残す」の例文
・『この件では両者の間にしこりを残すかのせいもあります』
・『しこりを残すことも考えられます』
まとめ
この記事では、「遺恨を残す」と「しこりを残す」の違いを、解説してきました。
序文でも述べたように、これらの言葉は私たちの身近にあります。
この機会にこれらの正しい使い方を勉強しておきましょう。