今では、日本も長さの単位としてメートル法が使われていますが、それまでは、尺貫法と呼ばれる単位が使用されていて、その中で一番短い単位が「分」でありそのうえが「寸」で、「胸三寸」のような慣用句にもよく出てきます。
それでは、この「胸三寸」とはどういう意味でしょうか。
また、「胸先三寸」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「胸三寸」と「胸先三寸」の違いを分かりやすく説明していきます。
「胸三寸」とは?
「胸三寸」とは、「むねさんずん」と読み、胸の奥数センチくらいのことを表す言葉です。
そこから、胸の中にあるもの、すなわち、外に出していない心の中のことを示すようになったものです。
「胸先三寸」とは?
「胸先三寸」とは、「むなさきさんずん」と読み、やはり胸の先から数センチの部分にある、心の中のことを表す言葉として使われています。
「胸三寸」と「胸先三寸」の違い
「胸三寸」と「胸先三寸」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、外に出していない心の中のことを表すという部分では同じですが、どこに違いがあるのでしょうか。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、元々は「胸三寸」が使われていましたが、のちに全く同じ意味で「胸先三寸」という言葉が使われるようになったということです。
すなわち、意味するところは同じだが、本来は「胸先三寸」は誤用であったということがこの2つの違いです。
「胸先三寸」という言葉がポピュラーになった背景としては、似たような言葉である「舌先三寸」というものに引っ張られたということは想像がつきます。
「胸三寸」の例文
・『あなたの処遇に関しては、私の胸三寸です』
・『胸三寸とは心で思っていること、あるいは意思という意味です』
「胸先三寸」の例文
・『あなたのこれからの仕事に関しては管理者である私の胸先三寸で決まります』
・『今後の方針は私の胸先三寸です』
まとめ
この記事では、「胸三寸」と「胸先三寸」の違いを、解説してきました。
序文でも述べたように、これらの言葉は私たちの身近にあります。
この機会にこれらの正しい使い方を勉強しておきましょう。