この記事では、「後顧の憂い」と「心残り」の違いを分かりやすく説明していきます。
「後顧の憂い」とは?
この後、何が起こるか不安になることを「後顧の憂い」【こうこのうれい】といいます。
例えば、幼い弟を部屋に1人で留守番させるのは兄としてかなり気がかりで、外出しても怪我はしないか、お腹を空かせて泣いていないかと心配になるのです。
しかし、家には祖父母がいるおかげで面倒を見てくれるので心配なく出かけられます。
このように、とても懸念される状況において、後々の事が心配になる状況で使われています。
「心残り」とは?
立ち去った後、残った人が心配で他の事に手が付かないのが「心残り」【こころのこり】といいます。
愛する人を1人残して海外へ転勤する男性の不安と心配する気持ちが垣間見られる言葉です。
また、まだ好きという気持ちがあるのに、別の道を歩いて行くとき強い未練を残したままで別々の人生を突き進むその様子を表すときにも使える言葉です。
「後顧の憂い」と「心残り」の違い
ここでは「後顧の憂い」と「心残り」の違いを、分かりやすく解説します。
何が起きるかとても不安になってしまう気持ちを払拭できる状況で「後顧の憂い」を使います。
もう一方の「心残り」は愛する人や友人といった者と別れた後まだやり直せるなら復縁したい、また一緒に遊びたいと思う気持ちが残るほど相手の存在が気になる状態を指す言葉です。
「後顧の憂い」の方が懸念されるほど危惧する出来事を考えては、後々どのような状況になるか心配する場面を表せます。
「後顧の憂い」の例文
・『弟子が後を引き継いでくれるので、後顧の憂いを感じずに済んだ』
・『生まれたばかりの子供を残す姉は、後顧の憂いなく仕事に行ける』
「心残り」の例文
・『障害がある息子を施設に置いて来たのが心残りだ』
・『戦地に残る兵士に優しく話しかけられなかったのが心残りだ』
まとめ
心がすっきりしないほど残して来た者の事を考えるとき、どのような気持ちになるかを考えて使い方を学び、状況をうまく伝えてみましょう。