地方自治体や国が発表しているものの中には、独特の表現で意味がよくわからないようなものがたくさんあります。
たとえば、その自治体で決めたルールのようなものを記述したも文書として、「要綱」「要領」「条例」「指針」など多くのものがあり、それぞれの目的がよくわからないのが実情です。
それでは、この「要綱」とはどういう意味でしょうか。
また、「指針」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「要綱」と「指針」の違いを分かりやすく説明していきます。
「要綱」とは?
「要綱」とは、「ようこう」と読み、特に地方自治体などで発行される、何かに関する決まり事をまとめたもののことを言います。
比較的大まかで重要なことを記載するのが通例ですが、そうではなく、細かい決まりが書いてある場合も少なくありません。
「要綱」の「綱」とはまさに「大きな綱」のことで、細かいことを取りまとめる「綱」のような役割のもののことを言います。
したがって、「要綱」に関しても、「必要なことをまとめて記述したもの」というニュアンスで使われます。
「指針」とは?
「指針」とは、「ししん」と読み、特に地方自治体などで発行される、何かのやり方やルールに関して記述されたもののことです。
一般的には細かい要件やルールなどを列挙したもので、何かを行うときの「ガイドライン」のようなものであることが多いものです。
実際に「ガイドライン」という名前で発行されている文書もあり、内容としては同じもののことを指す場合が多いようです。
「要綱」と「指針」の違い
「要綱」と「指針」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、何かを行うにあたってのルールを記述したものという部分では同じですが、どこに違いがあるのでしょうか。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、重要なことや考え方などの大きなものをまとめたのが「要綱」であり、細かいルールを記述したのが「指針」ということになります。
ただ、これらの定義は自治体や部署によっても明確ではないことが多いので、同じような内容のものを分けて読んでいる場合もあります。
「要綱」の例文
・『今回作成した土地活用の要綱は関係者に配布されました』
・『この件に関しては重要なルールを要綱としてまとめました』
「指針」の例文
・『土地活用の指針という文書を作成して配布しました』
・『この件に関しては細かいルールを指針としてまとめました』
まとめ
この記事では、「要綱」と「指針」の違いを、解説してきました。
序文でも述べたように、これらの言葉は私たちの身近にあります。
この機会にこれらの正しい使い方を勉強しておきましょう。