この記事では、「理解」と「共感」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
理解と共感の違い
「理解」とは、物事の意味や内容をそうだとわかること、また他人の気持ちや立場を推し量ることです。
「共感」とは、他人の意見や感情を自分と共有していると感じること、他人の意見や感情をその通りだと感じることを意味します。
「理解」は、筋道立てて考えること、つまり心ではなく頭で考えたことを意味しています。
「共感」は頭で考えるよりも、心で感じる意味を含んでいます。
そして、「理解」には他人の気持ちや立場を推し量る意味はありますが、自分と共有している感覚の意味は含まれていません。
それに対し、「共感」には他人の意見や感情などを自分と共有していると感じる意味があります。
理解と共感の使い方の違い
物事の内容や意味をのみこむこと、物事を筋道立てて正しく判断できることには、「理解」を使用します。
他人の意見や感情などを自分と共有していると感じるとき、他人の意見や感情などをその通りと感じるときには、「共感」を使用します。
その通りと感じることはできないけれど、そういう考え方もあるのかと頭でわかることができる場合には「理解」になります。
理解と共感の英語表記の違い
「理解」は英語で“understanding”と表記をします。
「共感」は英語で“sympathy”と表現をします。
理解の意味
「理解」には、2つの意味があります。
1つめは、物事を道筋立てて正しく判断すること、意味や内容をのみこむことです。
ショートケーキは、最後にスポンジケーキの周りにクリームシャンティをナッペします。
クリームシャンティは8分立てくらいがナッペしやすいです。
この「クリームシャンティ」や「ナッペ」、「8分立て」という言葉の意味がわかり、どのような作業をすればいいのかわかることが、意味や内容をのみこむことを意味します。
「理解」のもう一つの意味は、他人の気持ちや立場を推し量ることです。
「推し量る」には、見当をつける意味があります。
熱が出たといって会社を休んだ人がいます。
熱が出たのなら出勤するのはつらいだろう、休んでいたいのだろうと見当をつけられます。
このような状態が「理解」です。
そうはわかっていても、「熱ぐらいで休むなんて」と思う人もいます。
他人の気持ちや立場に見当をつけることができても、それでいい、そう思うと感じられないことはあります。
そうだと思えなくても論理的にわかることができれば「理解」です。
理解の使い方
物事の筋道を正しく判断できること、他人の気持ちや立場を推し量ることに使用します。
前者の意味では、人に教える立場の人が使うことが多いです。
会社や学校などでは、「(教えた内容を)理解できましたか」という言葉が聞かれます。
理解を使った例文
・『先生の言っていることを理解するのは難しかった』
・『説明書を読んでもまったく理解できない』
・『彼の気持ちを理解できる』
・『あのときの母の態度は今も理解できない』
・『理解を示す』
理解の類語
「わかる」「知る」が類語です。
「わかる」は「理解」と同じ意味を持っています。
「知る」は、知識や経験を持っていることです。
理解の対義語
打消しの意味がある「無」をつけた「無理解」が対義語です。
共感の意味
「共感」とは、他人の意見や感情などをその通りだと感じること、他人の意見や感情などを自分と共有していると感じられることです。
熱を出して会社を休んだ人がいます。
このことに対して「熱ぐらいで休むなよ」と思う人もいれば、「熱を出したら休むのはあたり前だよね」「休みたくなるよね」と思う人もいます。
前者は休んだ人に「共感」できておらず、後者は休んだ人の意見や考えにその通りと感じることができており「共感」できているといえます。
他人の意見や感情などを自分と共有している意味では、相手の目で見て、相手の心で感じて、相手の肌で感じることということもできます。
共感の使い方
その通りと思えることに使用します。
状況は同じでも「共感」できる人とできない人がいます。
行列ができるおいしいと話題のパン屋さんがあります。
行列に並んでまでも食べたいと思うならおいしいに違いないと考えて、長時間待って話題のパンを購入しました。
このパンを他の人たちが言っているようにおいしいと感じることが「共感」です。
同じ状況でもおいしいとは感じられない人もいます。
この人は、話題のパン屋さんがおいしいということに「共感」できたとはいえません。
このような使い方をします。
共感を使った例文
・『彼の意見に共感する』
・『ドラマの登場人物に共感する』
・『共感できるとの声が多く聞かれる』
・『ある部分には共感できる』
・『共感できません』
共感の類語
「同感」が類語です。
「同感」には、同じように感じることという意味があります。
共感の対義語
「反発」「反感」が対義語です。
「反発」は他人の言動などを受け入れないで強く否定すること、「反感」は他人の言動や存在にさからう気持ちのことです。
まとめ
「理解」はわかること、「共感」はそうだと感じることです。
わかることとそうだと感じることは、意味が違います。