「過言」と「言い過ぎ」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「過言」と「言い過ぎ」の違い生活・教育

この記事では、「過言」「言い過ぎ」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「過言」と「言い過ぎ」の違い

「過言」「言い過ぎ」は両方とも、「現実のその物事よりも大袈裟に表現している言葉」という共通の意味を持っています。

「過言」「言い過ぎ」は基本的には、「言葉の表現の度が過ぎている」を示している同義語なのです。

ただし、「過言」はかしこまった感じの漢語的な表現であり、「言い過ぎ」はくだけた感じの和語的な表現であるという違いがあります。

また「言い過ぎではない」よりも「過言ではない」のほうが、文語(書き言葉)としてはより適切な引き締まった表現になる点も異なっています。


「過言」と「言い過ぎ」の使い方の違い

「過言」は文語(書き言葉)で使われやすく、「言い過ぎ」は口語(話し言葉)で使われやすい違いを挙げられます。

また「過言」は現代の日本語では、「過言」という言葉単体で使われる頻度が大きく減っています。

「過言」という表現は、一般的に「過言ではありません・過言ではない」の言い方でしか使わなくなっているという「言い過ぎ」との違いを指摘することができます。

そのため、日常的なやり取りで使う「それは言い過ぎです」という表現を、「それは過言です」というと不自然な語感になってしまうのです。


「過言」と「言い過ぎ」の英語表記の違い

「過言」「言い過ぎ」は英語の表現では、厳密な区別をすることはできません。

「過言」「言い過ぎ」という言葉を、英語を使用して表現すると以下のようになります。

“overstatement”……ある物事に対するオーバーな言及。

過言・言い過ぎ。

“exaggeration”……誇張されている強い表現。

オーバーな表現。

過言・言い過ぎ。

“It is not too much to say that~”……~といっても過言(言い過ぎ)ではない。

「過言」の意味

「過言(かごん)」とは、「実際のその物事よりも大袈裟に誇張した言葉」を意味しています。

「過言」というのは簡単にいえば、「大袈裟にそのモノや人について言及するオーバーな物言い」を示している表現なのです。

「過言」の言葉には、「勢いがついて、言う必要のないことまで言ってしまう」「表現の度が過ぎていて、相手に対して失礼になる恐れもある」といった意味のニュアンスもあります。

「過言」の使い方

「過言」は、「実際のその物事・人物に対する大袈裟な物言い」の意味で使うことができます。

「過言」という表現は、「オーバーな表現・度が過ぎた物言い」「相手に失礼になる恐れもある言葉」といった意味合いで使用されています。

ただし、「過言」は主に「文語(書き言葉)」で使われる表現であり、現代では特に「~といっても過言ではない・~といっても過言ではありません」の使い方だけでしかほとんど使われなくなっています。

「過言」を使った例文

・『日本の司法制度の信頼を大きく揺らがした事件といっても過言ではありません。』
・『人の気分を害する過言をつつしむことによって、人間関係がスムーズに行くことは多いのです。』
・『地球温暖化対策の切り札といっても過言ではない対策の代案が二つほどあります。』
・『このスーパーコンピューターは世界で一番の性能を持っているといっても過言ではありません。』
・『日本神話とも接続している日本の皇室は、世界でもっとも歴史と権威のある家柄と申し上げても過言ではありません。』

「過言」の類語

「過言」の類語には、以下の言葉があります。

・『言い過ぎ(いいすぎ)』……ある事柄や人を表現するための言葉の程度が過ぎていること。

・『大袈裟な表現(おおげさなひょうげん)』……実際のその事物(人物)以上に誇張した表現。

「過言」の対義語

「過言」の対義語には、以下の言葉があります。

・『適切な言葉(てきせつなことば)』……大袈裟な物言いではなくて、その物事を表現するためにちょうど適している程度・内容の言葉。

「言い過ぎ」の意味

「言い過ぎ(いいすぎ)」とは、「物事や人について現実以上にオーバーに言うこと」を意味しています。

「言い過ぎ」という表現には、「言葉の物言いの程度が度を越していること」の意味合いがあります。

「言い過ぎ」というのは、「テンションが上がったり面白く伝えたかったりして、実際よりも大げさに言うこと」といったニュアンスがある口語的な表現なのです。

さらに「言い過ぎ」は、「言葉の表現・内容が度を越していて、相手を傷つけたり不快感を与えたりする可能性がある」といったニュアンスを含んでいます。

「言い過ぎ」の使い方

「言い過ぎ」は、「実際のそのものよりもオーバーに言うこと」の意味で使うことができます。

「言い過ぎ」は、「言葉が度を越している場合」「本来はそこまで言わなくてもいいことを言ってしまう場合」に使うことが多い表現になります。

例えば、「言い過ぎた後には、後悔してしまうことが多いのです」などの文章で使用されています。

「言い過ぎ」を使った例文

・『そこまで彼女の性格を一方的にけなすのは言い過ぎだと思います。』
・『言い過ぎて失敗したと思ってしまう前の段階で、少し言葉数を減らして相手の反応を見たほうが良いでしょう。』
・『あの時はあなたの気持ちを考えずに言い過ぎてしまって本当にごめんなさい。』
・『感情的な議論をしていると、どうしても相手を糾弾するような言葉の言い過ぎになってしまいます。』
・『喧嘩には双方の言い分があるものなので、一人だけを完全に悪者にするのは言い過ぎです。』

「言い過ぎ」の類語

「言い過ぎ」の類語には、以下の言葉があります。

・『過言(かごん)』……大袈裟な表現。

物事に言及する言葉の度が過ぎていること。

・『オーバーな表現』……ある物事や人について、大袈裟に面白く誇張した表現。

・『誇張した物言い(こちょうしたものいい)』……ある人や状況について、実際以上に大袈裟に表現した言い方。

「言い過ぎ」の対義語

「言い過ぎ」の対義語には、以下の言葉があります。

・『控えめな物言い(ひかえめなものいい)』……言い過ぎとは逆で、物事を表現する言い方を抑制していること。

・『抑えた表現(おさえたひょうげん)』……相手を刺激したり世の中で問題視されたりしないように、抑制した大人しい表現。

まとめ

「過言」「言い過ぎ」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「過言」「言い過ぎ」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の解説をチェックしてみてください。