この記事では、「紅葉の候」と「秋色の候」の違いを分かりやすく説明していきます。
「紅葉の候」とは?
「紅葉の候」は「こうようのこう」と読み、秋の紅葉の時期を伝える時候の挨拶です。
「〜の候」という表現は漢語調と呼ばれ、文書やメールにおける冒頭の挨拶で用いられています。
「紅葉の候」を使う時期として相応しいのは、10月8日頃の二十四節気「寒露」を過ぎたあたりから10月末くらいまでといわれ、木々の葉が赤や黄色に染まり、秋の装いの紅葉が始まる季節感を伝えることができるわけです。
「紅葉」は、紅葉前線が示すように、地域によって時期に差があるため、「紅葉の候」を受け取る側の地域の様子も思い浮かべながら用いることで、イメージと実感が相まって、より素敵な言葉として届けることができるでしょう。
「秋色の候」とは?
「秋色の候」は「しゅうしょくのこう」と読み、秋が色濃く感じられる時期にピッタリの時候の挨拶です。
秋を満喫できる時期、秋色の風景や情景を楽しめる期間に「秋色の候」がよく使われ、9月下旬から11月上旬くらいまでが相応しいとされています。
「秋色」と言ってもそのイメージは様々で、風の色や木々の色、食卓に並ぶ料理や装いにも秋の色を感じることができるでしょう。
「秋色の候」を受け取った相手は、今頃どのように過ごしているのだろうかと想像しながら綴ることで、言葉の美しさや奥深さをお互いに感じ取れるというものです。
「紅葉の候」と「秋色の候」の違い
「紅葉の候」と「秋色の候」は、どちらも秋の深まりを感じさせる時候の挨拶ですが、ニュアンスに違いがあります。
「紅葉」の言葉が含まれる「紅葉の候」は、木々が色めく様子が映像として映し出されるイメージがあり、赤や黄色といった実際の色合いから秋を感じさせるニュアンスがあります。
一方の「秋色の候」は、「秋色」という抽象的な表現を用いていることから、相手の感じ方や受け取り方は自由な広がりを見せ、水の色や風の香りにも「秋色」を見つけることができるわけです。
まとめ
いかがでしたか。
「紅葉の候」と「秋色の候」は、どちらも秋の季節を満喫できる時期に使われている時候の挨拶です。
ニュアンスに違いがあるため、言葉の持つ色合いや美しさ、奥深さを楽しみながら言葉選びをするのも素敵なものです。