今ではあまり行わなくなってしまったものとして、ビジネスやカジュアルでお世話になっている人に対して定期的に送る季節の挨拶状です。
かろうじて年賀状くらいは今でもやり取りされていますが、そのほかの多くのものはほぼ行われていません。
そんな中の一つに春の挨拶がありますが、そこで使用されるのが「穀雨の候」という表現です。
それでは、この「穀雨の候」とはどういう意味でしょうか。
また、「惜春の候」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「穀雨の候」と「惜春の候」の違いを分かりやすく説明していきます。
「穀雨の候」とは?
「穀雨の候」とは、春の時候の挨拶として用いられる表現の一つです。
「穀雨」とは「こくう」と読み、元々は秋の穀物の実りのために必要な春の終わりの暖かい雨という意味で、そこから二十四節気の一つとして使われるようになっている言葉です。
「惜春の候」とは?
「惜春の候」とは、春の時候の挨拶として用いられる表現の一つです。
「惜春」とは「せきしゅん」と読み。
春の終わりに過ぎていく季節を惜しむという気持ちが表れている言葉です。
「穀雨の候」と「惜春の候」の違い
「穀雨の候」と「惜春の候」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、春に使われる時候の挨拶の言葉という部分では同じですが、どこに違いがあるのでしょうか。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、使われ方も、使うことができる時期も「春の終わり」であり全く同じシチェーションで使えるものであると言えます。
しかし、違いとしてあげられるのは言葉の意味から、「穀雨」には力強いイメージがあり、「惜春」の方には寂しげなイメージがあるという部分でしょう。
「穀雨の候」の例文
・『穀雨の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『穀雨の候、皆様ご健勝のこととお慶び申し上げます』
「惜春の候」の例文
・『惜春の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『惜春の候、皆様ご健勝のこととお慶び申し上げます』
まとめ
この記事では、「穀雨の候」と「惜春の候」の違いを、解説してきました。
序文でも述べたように、これらの言葉は私たちの身近にあります。
この機会にこれらの正しい使い方を勉強しておきましょう。