同じような意味で使われる言葉として「脱稿」と「擱筆」があります。
この2つはどのような違いで区別すればいいのでしょうか。
この記事では、「脱稿」と「擱筆」の違いを分かりやすく説明していきます。
「脱稿」とは?
「脱稿」とは、「原稿が完成すること」を意味する言葉です。
印刷や発表の元になる著作物を「原稿」といいます。
スピーチで話す内容を書いた下書きや作品として出版される漫画の完成品など、それを使って人前で話したり印刷物を出版したりする元になるものを指す言葉です。
原稿の作成作業の全てが完了し使える状態になることを「脱稿」といいます。
簡単に言えば原稿の完成を指す言葉で、出版用の原稿であれば作者の作業が全て完了し編集者に渡して印刷できる段階を表します。
「擱筆」とは?
「擱筆」とは、「書くのをやめること」を意味する言葉です。
筆を置いて文章を書くのをやめること、つまり書き終えることを意味します。
物理的に書く作業を終えることを表すので作品のラストまで書き終えることを意味するほかに途中で書くのをやめてしまうことも含みます。
それ以上続きを書かない場合に対してのみ用いられる表現です。
「脱稿」と「擱筆」の違い
「脱稿」と「擱筆」の違いを、分かりやすく解説します。
「脱稿」と「擱筆」の違いは「続き」と「種類」です。
「脱稿」は原稿が完成したことを表します。
週間連載であればその週の原稿が完成したことを指し、来週分は改めて作業を開始することになります。
「擱筆」は書き終えて続きをそれ以上書かない場合に用いる表現なので連載の今週分が書き終わった場合には使いません。
全50回の作品であれば50回目を書き終えた時が「擱筆」になります。
「脱稿」は原稿の完成であれば小説でも漫画でも雑誌でも使えるのに対し「擱筆」は文章を書き終えることを意味するので使えるのは小説やエッセイなど文字で書き表されるものだけです。
イラストや漫画など文字作品以外に対して使えるかどうか、という書いたものの種類も違いの一つです。
まとめ
「脱稿」と「擱筆」は似たような意味合いですが明確な違いがあります。
言葉の意味をきちんと理解して使い分けてください。