「背水の陣」と「火事場の馬鹿力」はそれぞれ何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「背水の陣」と「火事場の馬鹿力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「背水の陣」とは?
「背水の陣」とは、「これ以上後がないと覚悟を決めて物事に当たること」を意味する言葉です。
中国の古典「史記」に由来する言葉で漢の名将である韓信が10倍の兵を擁する趙の軍隊と戦うことになった時に兵達に覚悟を決めさせるためあえて逃げ場がなく不利になる川を背にした陣立てで勝利を手にした、という逸話に由来します。
現在は「後がない追い詰められた状況で覚悟を決めて物事に当たること」という意味で使われています。
「火事場の馬鹿力」とは?
「火事場の馬鹿力」とは、「追い詰められた状況で発揮する普段からかけ離れた力」のことです。
火事になると延焼を逃れるため逃げ出さなければいけませんが、大切なものは燃えないよう持ち出す必要があります。
ダタンスなど普段は持てないような家財道具でも火事場になると急に普段は出せない大きな力が発揮されて担いで持ち出せるようになるケースがあることから「火事場のようなギリギリの状況でだけ出せる特別な力」を「火事場の馬鹿力」といいます。
「背水の陣」と「火事場の馬鹿力」の違い
「背水の陣」と「火事場の馬鹿力」の違いを、分かりやすく解説します。
「背水の陣」と「火事場の馬鹿力」はどちらもギリギリの状況を表す言葉ですが「背水の陣」は死に物狂いの力を出さざるを得ない決定的に追い詰められた状況を指すのに対し「火事場の馬鹿力」は追い詰められた状況で発揮できる特別な力を指します。
「火事場の馬鹿力」が発揮されるようなギリギリな状況が「背水の陣」です。
「背水の陣」の例文
・『背水の陣の覚悟で臨む』
・『背水の陣なので負けたら終わりだ』
「火事場の馬鹿力」の例文
・『火事場の馬鹿力でタンスを持ち上げた』
・『火事場の馬鹿力で信じがたい力を発揮する』
まとめ
「背水の陣」と「火事場の馬鹿力」は似たようなニュアンスですが表しているものは異なります。
言葉の意味を正しく理解して使いましょう。