この記事では、「拍車をかける」と「拍車がかかる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「拍車をかける」とは?
「拍車をかける」とは事の成り行きや勢いを一段と強めたり早めることです。
拍車は馬の走るペースを上げさせるための馬具であり、それを使い馬の走る勢いを強めることと、物事に勢いをつけることを掛けた表現と言えます。
そのため現在では馬に関することだけでなく、あらゆる物事に関して能動的に勢い付けさせることを表す慣用句として使われている言葉です。
「拍車がかかる」とは?
「拍車がかかる」とは事の成り行きや勢いが一段と強まったり早まったことを指します。
語源も大まかな意味も拍車をかけると同じですが、拍車がかかるという場合自分から勢い付けさせる能動的な意図ではなく、何らかの要因で勢い付いたという受動的な場合に使われます。
勢い付けたのが自分の行動かそれとも自分以外の行動や要素かという違いであり、勢いが増すことを意図あるいは予期していたかは問いません。
「拍車をかける」と「拍車がかかる」の違い
「拍車をかける」と「拍車がかかる」の違いを、分かりやすく解説します。
自分の行動や働きかけで物事を勢い付けるのが「拍車をかける」で、自分以外の行動や要素の働きかけで勢い付けられるのが「拍車がかかる」です。
「拍車をかける」は能動的であることを表現する言葉遣いなのに対し、「拍車がかかる」は受動的な言葉遣いという表現だけの違いと言えます。
「拍車をかける」の例文
・『人気作品とのコラボで売上に拍車をかける』
・『メディアの露出を増やしてブームに拍車をかける』
「拍車がかかる」の例文
・『有名人が紹介したことで人気に拍車がかかる』
・『需要増加によって生産量に拍車がかかる』
まとめ
能動的に物事の勢いを強めようと働きかけるのが「拍車をかける」で、物事の勢いが強まったという受動的な表現が「拍車がかかる」であり、両者は能動的か受動的かだけが違う言葉です。
使い分けとしては勢い付けようと行動することを「拍車をかける」と表現し、そういった動きでもそれ以外の要因によるものであっても勢い付いたという結果に対して「拍車がかかる」と表現すればいいでしょう。