「光景」と「情景」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「光景」と「情景」の違い生活・教育

この記事では、「光景」「情景」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

光景と情景の違い

「光景」「情景」はどちらも「目の前の風景」という意味を持っています。

しかし二つの言葉には、実は違いがあるのです。

「光景」「心の動き」については言及していない単語です。

目の前の景色に心が動かされないときも、「ただ目の前に広がっている景色」という意味で、「光景」という言葉が使えます。

これに対し「情景」は、「目の前に広がる景色」「心を動かすほどの場合」でないと使うことはできません。

情景の「情」「心の動き」という意味です。

「心を動かすほどの風景」という意味を持つのが、「情景」です。


光景と情景の使い方の違い

「光景」は感情の発生に左右されずに使用できる「眺め」という意味の言葉です。

しかし「情景」は、「何か心が動かされる眺め」という意味です。

景色を見て、心が動かされた場合に「情景」という言葉を使うと、感情の動きをより強調することができます。


光景と情景の英語表記の違い

「光景」を英語で表記すると“scene”(景色)や“view”(眺め)になります。

「情景」の英語表記にも、“scene”(景色)が使われます。

情景の「情」の部分を強調したいときは、“scene”という単語に感情を表す形容詞を組み合わせて使うとよいでしょう。

光景の意味

「光景」とは、「目の前に広がる景色」という意味です。

実際に見えている、具体的な眺めのことを「光景」と言います。

光景の使い方

「光景」は、「目の前の景色」のことです。

「光」という字が入っているからといって、明るい場面に限定して使われるわけではありません。

夜の暗闇の場面を表すときにも「光景」という言葉は使えます。

ひどく恐ろしい場面を描写するときにも、「惨憺たる『光景』」というふうに、「光景」を使った表現が可能です。

「光景」は、「目の前に広がる眺め」という意味の「風景」と非常によく似ている言葉です。

置き換えて使える場合があります。

「風景」「風」という漢字が入っているので、目の前に広がる景色の「空気感」に着目した言葉なのかもしれません。

対して「光景」は、「光」という漢字から、より視覚を刺激されている印象が持てる単語となっています。

光景を使った例文

・『山頂からの光景は素晴らしかった』
・『彼女はその惨たらしい光景を忘れられず、何度も夢に見ました』
・『舞台から客席を見ているこの光景を、彼は一生忘れないだろうと思った』
・『大自然の中でしか見ることのできない光景があります』
・『その光景を見た瞬間、今まで忘れていた全てのことを私は思い出しました』
・『ここに日常生活の光景を映した一枚の写真があります』

光景の類語

「光景」の類語として、「目に映る眺め」という意味の「風景」が挙げられます。

「景」という漢字が共通して使われています。

この「景」という字は、「眺め」「その場のありさま」という意味を持ちます。

「景」という漢字が使われている「景色」も、光景の類語といえるでしょう。

「風光」という言葉は、「景」の字が使われていませんが、「光景」の類語です。

「風光」とは、「美しい眺め」という意味です。

自然の美しさを表す際によく用いられる表現です。

光景の対義語

「光景」の対義語として考えられるのは、「想像」「空想」です。

「目の前に実際に広がっている景色」「光景」です。

「目の前には広がっていない、心の景色の広がり」という意味で、「想像」「空想」という言葉が対義語であると考えられます。

情景の意味

「情景」は、「何か感情を呼び起こさせるほどの風景」という意味です。

「心を動かす景色」「心に何かをうったえかけてくる景色」のことを「情景」といいます。

情景の使い方

景色によって心を動かされたことを強調したい場合に「情景」という言葉が使われます。

ただ目に映った景色、というだけの意味ではなく、目で見たものが何か感情を生じさせたとき、「風景」「光景」よりも、「情景」を使うとよいでしょう。

「情景」「情」は、「心の動き」という意味です。

「心の動き」を示す「情」という漢字と、「その場のありさま」という意味の「景」を合わせた単語が「情景」です。

情景を使った例文

・『泣いてしまいたいほど優しい情景だった』
・『その情景を見たとき、叫び出したいほどの後悔にかられた』
・『もう二度とふたりが出会うことはないと思っていたので、彼女は再会の情景に立ち会って涙した』
・『幼いころの情景を思い出すとき、いつも優しい気持ちになる』
・『その写真に写る情景は僕の心を突き動かした』
・『そのとき目の前に広がった美しい情景をまたもう一度目にしたくて、彼は旅に出ることにしました』

情景の類語

「情景」の類語ですが、「壮大な眺め」という意味の「壮観」が挙げられます。

「趣のある景色」という意味の「景趣」も類語として考えてよいでしょう。

「目の前に広がる大きな景色」という意味で、「パノラマ」「眺望」も類語としてとらえてよいかもしれません。

情景の対義語

「情景」「心を動かす風景」という意味です。

対義語を考えるのは難しいのですが、心が動くかどうかに関わらず使用できる、風景を示す言葉として「光景」「景色」が対義語に当たるかもしれません。

「心を動かさない」という「無感動」を示す言葉としては、「アパシー」が挙げられます。

「物事に対する熱意が欠けている状態」を示す言葉です。

まとめ

「光景」「情景」の違いについてまとめました。

「光景」「情景」も、「目の前の景色」を意味する言葉ですが、「情景」には心の動きが生じていることが言い含まれています。

二つの言葉を区別して使うことで、より深い日本語表現が可能になります。

ぜひ意識して使ってみてください。