この記事では、「語彙力」と「表現力」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「語彙力」と「表現力」の違い
「語彙力(ごいりょく)」という言葉は、「言葉の種類・意味をどれだけ知っているか、どれだけその言葉を適切に使えるのかという能力」を意味しています。
「語彙力」に対して「表現力(ひょうげんりょく)」のほうは、「言葉の集合である語彙を前提にして、その語彙を活用して自分が伝えたい内容・感情を的確に表す能力」や「自分が伝えたいことを言葉・動作・作品などを活用して表す能力」を意味している違いがあります。
「語彙力」は「ある言語・地域が持っている単語の数を多く知っていて、それを使うことができる能力」であり、「表現力」は「自分が伝えたいと思っている内容・感情・意味を、言語(語彙)・ジェスチャー・作品などを介して表すことができる能力」である違いを指摘できます。
「語彙力」と「表現力」の使い方の違い
「語彙力」と「表現力」の使い方の違いは、「語彙力」は「ある言語体系(ある地域・人物)が持っている単語の種類をたくさん知っていて、適切に活用することができる能力」を意味して使われますが、「表現力」のほうは「自分が相手に伝えたいと思っている内容・気持ちを、言葉や作品などを使って代理的に表す能力」を意味して使われる違いがあります。
例えば、「語彙力が高い人は、それまでの人生で読んだ本の数が多いといわれています」という文章は、「語彙力が高い人=ある言語体系が持っている単語をたくさん知っていて、上手く使いこなせる人」という意味なので、「表現力」よりも「語彙力」のほうが適切な言葉になります。
「語彙力」と「表現力」の英語表記の違い
「語彙力」を英語で表記すると、以下のようになります。
“vocabulary”(語彙・たくさんの言葉を知っていること・語彙力) “a strong vocabulary”“a large vocabulary”(語彙力が強い・たくさんの語彙を知っている・語彙力がある) 「語彙力」に対して「表現力」を英語で表記すると、以下のようになります。
“expression”(表現・表現力)
“representation”(物事や感情を表現すること・表現力)
“expressive power”“ability to express things”(物事を表現する力・表現力)
上記のように、「語彙力」の英語表記は“vocabulary”などで、「表現力」の英語表記は“representation”などであるという違いを指摘することができます。
「語彙力」の意味
「語彙力」という言葉は、「ある言語体系(ある地域・人物)が持っている単語の種類を多く知っていて、それらの単語・言葉を適切に使いこなすことができる能力」を意味しています。
「語彙力」には、「単語の種類・数をたくさん知っていて、その単語(言葉)を相手・場面に合わせて適切に選び使うことができる能力」といった意味のニュアンスがあります。
「語彙力」の使い方
「語彙力」という言葉は、「ある言語体系やある範囲が持っている単語の種類・数をたくさん知っていて、シチュエーションや相手に合わせて効果的に活用することができる能力」を意味して使うという使い方になります。
例えば、「語彙力をつちかうためには、できるだけ多くの活字に触れて辞書を引くようにすべきです」などの文章で使えます。
「語彙力」を使った例文
・『語彙力のレベルは、難しいテーマで会話をしてみれば分かります』
・『子供時代の読書習慣が語彙力を高めてくれました』
・『大人になった時に語彙力が低いと、プレゼンなどで恥ずかしい思いをする恐れがあります』
・『語彙力を高めたいのであれば、分からない言葉と出会った時に辞書を引くことです』
・『語彙力のある人とのコミュニケーションには、意外な気づきが多くあります』
「語彙力」の類語
「語彙力」の類語には、「語彙が豊富・豊かなボキャブラリー・言語運用能力・ボキャブラリーの活用能力」などがあります。
「語彙力」の言葉は、「語彙が豊富なことを前提とする言語運用能力」や「豊かなボキャブラリーの活用能力」を意味しています。
その意味から、「語彙力」と類似の意味を持つ類語として、「語彙が豊富・豊かなボキャブラリー・言語運用能力・ボキャブラリーの活用能力」が挙げられます。
「語彙力」の対義語
「語彙力」の対義語には、「貧困な語彙・ボキャブラリーがない・非言語的能力」があります。
「語彙力」は「知っている言葉が多いことに裏打ちされた言語運用能力」を意味しているので、それとは反対の意味を持つ言葉は、「貧困な語彙・ボキャブラリーがない」になります。
「語彙力」は「言語的能力の一種」なので、言葉に頼らない「非言語的能力」も対義語として考えられます。
その意味から、「語彙力」と反対の意味を持つ対義語として、「貧困な語彙・ボキャブラリーがない・非言語的能力」といった言葉を挙げることができます。
「表現力」の意味
「表現力」という言葉は、「言語・ジェスチャー・演技・創作などによって、自分の伝えたい内容・感情などを表すことができる能力」を意味しています。
「表現力」というのは、「自分が相手・社会に対して伝えたい内容や気持ちを、言語・作品などの媒介手段を使って表す能力」を意味しているのです。
「表現力」の使い方
「表現力」の使い方は、「自分が他者・社会に伝えたい内容・感情を、言語や演技、作品などを使って表すこと」を意味して使うという使い方になります。
例えば、「私の書く文章には、リアリティーを伝えられる表現力が不足しているのです」や「表現力のある絵画に魅了されました」といった文章で使うことができます。
「表現力」を使った例文
・『この作家が書く小説は、人物の心情と境遇を伝える表現力が優れています』
・『表現力のない絵画を鑑賞していても、何も胸に響くものがありません』
・『アーティストにとって一番大切な能力は、他者の心に訴える表現力なのです』
・『表現力を鍛える方法には、作文だけではなく芸術・歌唱などもあります』
・『彼女の作品が持つ圧倒的な表現力に触れて感動しました』
「表現力」の類語
「表現力」の類語には、「表す能力・伝える力・訴える力・響かせる力・具現化の能力」などがあります。
「表現力」という言葉は、「物事を表して他者に伝えたり訴えたりする力」や「伝えたい気持ちを表して、他者の心に響かせる力」を意味しています。
「表現力」とは、「自分の心の中にあるものを具現化・具体化する能力」でもあります。
そのことから、「表現力」と類似の意味を持つ類語として、「表す能力・伝える力・訴える力・響かせる力・具現化の能力」が挙げられます。
「表現力」の対義語
「表現力」の対義語には、「インプット力・表象力(ひょうしょうりょく)・イメージ化の能力・想像力」があります。
「表現力」は、「自分の外部にある他者・社会に向けてアウトプットして伝える力」を意味しています。
それと反対の意味を持つ言葉として、「自分の内部に情報・知識を取り込むインプット力」や「外に表すのではなく内面で思い浮かべるイメージ化の能力・表象力・想像力」を想定することができます。
そのことから、「表現力」と反対の意味を持つ対義語として、「インプット力・表象力・イメージ化の能力・想像力」を挙げることができます。
まとめ
「語彙力」と「表現力」の違いを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「語彙力」と「表現力」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事をチェックしてみてください。