この記事では、「四面楚歌」と「孤軍奮闘」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「四面楚歌」とは?
味方が1人もそばにいない状況を「四面楚歌」【しめんそか】といいます。
追い詰められて左にも右さえ抜け道がない状況に陥るのに、自分の考えは正しいと信じ込むあまり、周囲を威圧しては従わせる行動や態度を見せてしまうところに原因があるのです。
この言葉の由来は、前漢の時代に活躍した項羽【こうう】が漢軍に追い詰められたとき、周りの者が敵国の歌を歌いだしたところから、すでに自国が乗っ取られ、負けた事実を悟ったのでした。
「孤軍奮闘」とは?
左右前後に1人も味方がいないことを「孤軍奮闘」【こぐんふんとう】といいます。
例えば、敵に追い込まれて今にも崖から落とされそうになっても、誰も助けに来ないという状況を指すのです。
支援もないので、いかなる困難にも力を出して自分一人で乗り越えなければなりません。
このようなところから、一人で頑張って仕事をこなす様を表す際に使われている言葉です。
「四面楚歌」と「孤軍奮闘」の違い
「四面楚歌」と「孤軍奮闘」の違いを、分かりやすく解説します。
自分は間違っていないと思うあまり、周囲の意見に耳を貸さないことで孤立するその状況を「四面楚歌」といいます。
とくに、権力や年齢が高い人は自分の意見を貫き通し、場の空気が読めないため仲間さえ敵にまわしてしまうのです。
もう一方の「孤軍奮闘」は、一人で援軍もいない中で頑張って戦う様子を指します。
ここから一人だからこそ懸命に努力し、前向きに突き進むことが大事だと考えて、行動する必要性がある状況で使うわけです。
「四面楚歌」の例文
・『部活で意見する新入部員は四面楚歌の状態になって辞めた』
・『自分勝手な行動する隣人は、集会で四面楚歌になってしまった』
「孤軍奮闘」の例文
・『災害に遭ったとき、長女が孤軍奮闘して家族を誘導した』
・『海外でたった1人、日本人の援軍として兄は孤軍奮闘する』
まとめ
周囲に耳を傾けずに孤立してしまうか、1人で奮闘する場面で使われているとの違いがあります。
どのような状況のときに使うか確かめて、使い分けてみましょう。