中学校は『ジュニアハイスクール』、古い歌の歌詞で『ヤングマン!』なんて言葉も出てくるぐらい『Junior』と『Young』は『若い』という意味を表すカタカナ言葉になっています。
しかし、実際は微妙なニュアンスの違いがあり、明確に使い分けをできるかというと微妙ではないでしょうか。
今回の2単語も絶妙にニュアンスが違います。
この記事では“Junior”と“Young”の違いを分かりやすく説明していきます。
「Junior」とは?
実は名詞と形容詞で意味が絶妙に変わってきます。
まずは名詞を見てみましょう。
この場合は『誰かと比較して若い人』という意味を指します。
例えばヨーロッパ圏では親と同じ名前に『Junior』を子供に付ける場合がよくあります。
この場合『二世』つまり『若い人』という意味を持ちます。
例えば『I have a dream. 』のスピーチで有名な公民権運動のリーダーであるキング牧師の名前は『Martin Luther King, Jr』です。
『Jr』は『Junior』の略式です。
じつはキング牧師の父親は全く同じ『Martin Luther King』とファーストネームもミドルネームも一緒なのです。
今後は形容詞で見てみましょう。
この場合は『下位の』という意味になります。
ここに『中学校』を『Junior high school』と呼ぶ理由があります。
この場合の 『Junior』は『High schoolよりも下位の』という意味になるので付いているのです。
「Young」とは?
『Young』についてもそれぞれ名詞と形容詞でニュアンスが違ってきますのでそれぞれ見てみましょう。
名詞の場合は『若い人たち』という意味です。
『S』を付けずに複数を指す珍しい単語でもあります。
もう少し厳密にはかたまった一つのまとまりとしての『若い人たち』という意味です。
では形容詞はどうでしょうか。
この場合は『時間的に若い、まだ成熟しきっていない』という意味になります。
例えば冒頭でご紹介した『Young man』(ヤングマン)ですが、この場合は『Man』を修飾する形容詞として使われています。
このままでも十分『若者』と説明はできますが、『成熟しきっていない男性』という若々しいニュアンスが伝わる表現になります。
形容詞ですので、人間以外にも使用することが出来ます。
例えば熟れていないトマトの場合は『Young tomato』で英語圏の方へは『まだ青い熟れる前のトマトなのだな。』というイメージを伝える事もできます。
また、幼稚なという少し蔑んだ表現で『Young idea』(青いアイデア)という表現もできます。
「Junior」と「Young」の違い
この2つは名詞と形容詞で違います。
名詞の場合は『誰かに対して若い人』か『集合体としての若者たち』。
そして形容詞の場合は『下位の』か『時間的に若い、未熟の』という意味で違いを付けることができます。
『若い』という単語一つで日本語がいかに抽象的な言葉なのかが良くわかる面白い違いではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
『Junior』と『Young』は名詞と形容詞でニュアンスが微妙に変化する面白い比較だったと思います。
『若さ』や『未熟な』という名詞や形容詞でも多くの同義語を持つのが英語ですので是非調べてみて下さい。
最後に冒頭でご紹介した『中学校』について少し余談を。
アメリカではあまり中学校を『Junior high school』とは言いません。
意味は通じますがアメリカでは一般的に『Middle school』と呼んでいます。