「雌伏」と「私腹」はどちらも「しふく」と読みますが、どのような意味の違いがあるのでしょうか。
この記事では、「雌伏」と「私腹」の違いを分かりやすく説明していきます。
「雌伏」とは?
「雌伏」とは、「機会をうかがいながらも人に屈服し従属すること」を意味する言葉です。
鳥の雌は雄鳥にひたすら従う生き物である、という考えに由来します。
鳥の雌が雄に従属するように誰かに従って主張せず服従する様子を指す表現です。
一般的には将来の活躍の機会を狙うために耐えて従う様子に対して用いる表現で表面的な態度は従っているものの腹の中では活躍の機会を待っている、態度と内心との違いを含む言葉です。
「私腹」とは?
「私腹」とは、「私的な財産」を意味する言葉です。
会社のお金や税金など公的な財産に対し個人が所有する私的な財産を表します。
一般的には公に取り扱われるお金に対し私的なお金を指す意味で使われることが多く、公的なお金や立場を利用して個人的な財産を豊かにすることを「私腹を肥やす」と表現します。
悪事で財産を蓄えたり不正を犯して利益を得たりなど、悪い意味での個人的な財産を指す場合に使われる表現です。
私的な財産を指す意味では「ポケットマネー」と近しい意味合いですが、ポケットマネーは支払う時に使う表現なのに対し「私腹」は悪い形で溜め込む時に使う俗っぽい言い方です。
「雌伏」と「私腹」の違い
「雌伏」と「私腹」の違いを、分かりやすく解説します。
「雌伏」と「私腹」はどちらも「しふく」と読む言葉ですが意味は全く違います。
「雌伏」は将来のために耐え忍び服従することを指し「私腹」は私的な財産を指す言葉です。
「雌伏」の例文
・『将来のため雌伏の日々を過ごす』
・『雌伏に耐えること10年が過ぎ、やっと活躍の機会を得た』
「私腹」の例文
・『私腹を肥やす悪代官』
・『満たされるのは役人の私腹ばかりで市民は苦しんでいる』
まとめ
「雌伏」と「私腹」は読み方が同じこと以外全く異なる言葉です。
変換ミスしやすいので注意しましょう。