「糊塗」と「泥縄」はそれぞれ言葉でどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「糊塗」と「泥縄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「糊塗」とは?
「糊塗」とは、「一時しのぎのためあいまいにごまかすこと」を意味する言葉です。
事態に対し根本的解決を図らずとりあえずその場を何とかするため一時しのぎで取り繕うことを指します。
「糊塗」の「糊」は米から作るでんぷんのりのことで、壊れたものにとりあえずのりを塗って貼り付けるさまに由来します。
本格的な修理が必要なものをのりで貼り付けてもすぐに壊れてしまい一時的に見た目を整える効果しか期待できません。
そのような体裁だけを取り繕う一時しのぎの行為を指して「糊塗」と表現します。
「泥縄」とは?
「泥縄」とは、「事が起きてからあわてて対策すること」を意味する言葉です。
本来なら前もって備えておくべきことができておらず事態が発生してからあわてて対策することをことわざで「泥棒を捉えて縄をなう」といいます。
泥棒捕縛用の縄を捕まえてから慌てて準備する、対応が後手に回る様子を表すことわざです。
「泥縄」は「泥棒を捉えて縄をなう」の略語で、事が起きてから対策する手遅れで対応に問題がある様子を表します。
「糊塗」と「泥縄」の違い
「糊塗」と「泥縄」の違いを、分かりやすく解説します。
「糊塗」は一時しのぎの行動を表すのに対し「泥縄」は行動が事態の発生よりも遅いさまを表します。
「糊塗」はごまかして取り繕うのが目的であり行動の内容も根本的な解決にはならないものですが「泥縄」は行動の内容自体は正しくても事態の発生よりも遅いために効果が十分ではないことを表す言葉です。
ごまかし目的な行動のまずさを表すのが「糊塗」で、内容は正しくても行動が遅いことを表すのが「泥縄」という違いで区別されます。
「糊塗」の例文
・『仕事の失敗を糊塗する』
・『糊塗してもいずれバレるに決まっている』
「泥縄」の例文
・『泥縄的な対応』
・『一夜漬けは泥縄式の勉強法だ』
まとめ
「糊塗」と「泥縄」では行動の内容とタイミングが異なります。
似たようなニュアンスですが明確な違いがあるので正しく区別してください。