この記事では、「虎の威を借りる狐」と「他人の威光で威張る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「虎の威を借りる狐」とは?
自分には能力がなく、力すらない者が社会的に強い人に依存し、権威を見せびらかして人を見下すことを「虎の威を借りる狐」【とらのいをかるきつね】といいます。
言葉の由来は紀元前4世紀の楚の時代、他国から王様に使える大臣が恐れられていたので、その真相を探るべく本人に尋ねました。
すると、虎に捕食されそうになった狐が「我は天帝の百獣の王様であるので食べるな」と言うので、真相を確かめるため一緒に国へ行きます。
すると、動物が後ろについている虎の姿を見て逃げるのです。
この大臣がまさに王様の威厳と権力を利用して生きる狐と言えます。
「他人の威光で威張る」とは?
能力がある者につき、自分に従わせることを「他人の威光で威張る」【たにんのいこうでいばる】といいます。
人を恐れさせるほどの権力がある者を利用して、恐れなす周囲を自分に従わせてはいいように操り、威張り散らすのです。
本人にはそれほど力もなく、勢いが無いため威光がある者を狙って近づき、巧みに惑わしては力を利用し、職場で部下をこき使います。
「虎の威を借りる狐」と「他人の威光で威張る」の違い
「虎の威を借りる狐」と「他人の威光で頑張る」の違いを、分かりやすく解説します。
いずれも力がある者について人に威厳を見せ付けるという意味がありますが、権威がある者を後ろにつけて、あたかも自分が恐れられているように振舞うことを「虎の威を借りる狐」といいます。
もう一方の「他人の威光で威張る」は勢いがある者についてはその恩恵を受けて、能力が無い者が威張って人を従わせるという意味で使われている言葉です。
「虎の威を借りる狐」の例文
・『社長である兄の下で働く弟が威張る姿は、虎の威を借りる狐だ』
・『遺産を独り占めして兄弟を追い出そうとする妹は虎の威を借りる狐だ』
「他人の威光で威張る」の例文
・『部長に媚を売る係長は、他人の威光で威張る貪欲さが見られる』
・『技術力がない兄が他人の威光で威張った結果、会社は倒産した』
まとめ
とても似ている言葉ですが、力を借りるか、威光で威張るかの違いがあります。
どのような場面で使うか学び、うまく人の行動について伝えてみるといいでしょう。