この記事では、「伊賀焼」と「信楽焼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「伊賀焼」とは?
伊賀焼とは、三重県の伊賀市で焼かれている陶器のことをいいます。
伊賀焼の歴史は古く、5世紀頃に発祥したとされます。
農民の生活雑器などが焼かれていました。
安土桃山時代には、茶陶として水差しや花入れが作られるようになります。
力強く豪放な焼き物で、ヘラを使って波状の模様をつけたり格子型の押し型文様をつけたりしたものがあります。
この時代の伊賀焼は古伊賀と呼ばれています。
衰退した時期もありますが現在でも伊賀焼は続いており、伊賀市には50軒ほどの窯元があります。
現在は雪平鍋や土鍋、土瓶などの日用雑器が主に作られています。
「信楽焼」とは?
信楽焼は、滋賀県の甲賀市で作られている陶器のことをいいます。
日本六古窯の1つに数えられており、聖武天皇が紫香楽宮を作る際の瓦を焼いたのが始まりといわれています。
安土桃山時代には茶の湯が発達したこともあり、茶器が多く造られるようになりました。
その後は火鉢や土鍋、徳利など生活に根差した雑器が作られるようになります。
信楽焼の狸の置物も有名です。
「伊賀焼」と「信楽焼」の違い
伊賀焼は三重県の伊賀市で焼かれている陶器で、信楽焼は滋賀県の甲賀市で焼かれている陶器です。
使われている土は同じ地層のもので、古琵琶湖層といいます。
200万年から150万年前に誕生した土で、三重県の伊賀から滋賀県の甲賀まで分布しています。
そのため土に違いはほとんんどありません。
伊賀焼は無釉ですが、信楽焼には釉薬を使わない無釉のものと施釉のものがあります。
また、水差しや花入れなどは、伊賀焼には把手がついていますが信楽焼にはついていません。
まとめ
伊賀焼と信楽焼では産地に違いがあります。
三重県伊賀市で焼かれているのが伊賀焼で、滋賀県の甲賀市で焼かれているのが信楽焼になります。
釉薬の有無などに違いがあります。