出来れば使いたくないですし、使われたくない単語『見捨てる』ですが、英語はこの表現にとても多くの単語を持っています。
今回の『Forsake』と『Abandon』がまさにこれです。
絶妙にニュアンスが違いますので是非違いを理解し、文章や会話で出てきた時の細かい背景に注目をしてみましょう。
この記事では“Forsake”と“Abandon”の違いを分かりやすく説明していきます。
「Forsake」とは?
この単語の厳密な意味は『心情的にも見放す』です。
ほぼ『諦めて関係を断つ』に近い表現でとても重いことが理解頂けると思います。
もともとは古英語で『For』(除外)と『sake』(議論する)が一緒になった言葉が由来になっています。
議論することをやめてしまうぐらいの行為ですので、心はここにないということがニュアンスとして伝わるのではないでしょうか。
どちらかと言うと純文学や詩的な表現で使われるケースが多い堅い言葉でもあります。
「Abandon」とは?
反対にこの単語は『物理的に置いていく』という意味が強い単語です。
心情はどうあれ何かや誰かを残して去るというニュアンスです。
したがって何か後ろ髪をひかれながらも心を鬼にして『見捨てる』という場合にも『Abandon』は使えます。
口語表現でも使われる単語ですので、耳にする機会は先ほどの『Forsake』よりは多いかもしれません。
「Forsake」と「Abandon」の違い
この違いは『諦めて関係を断つぐらい心情が入っている』か『心情はどうあれ、物理的に後に残してしまう』かで区別をつけることができます。
なかなか日本語にはない表現ですが、言葉一つとっても背景設定がされているのは英語の面白い部分でもあります。
「Forsake」の例文
・『Mika was forsaken by her parents 20 years ago due to her laziness. 』(ミカは20年前に彼女の怠慢により両親から勘当された。
= 両親から縁を着られるレベルで見捨てられた。)
・『I forsook him because John lied to me countless times. 』(私はジョンが数え切れないぐらい私に嘘をついたので彼を見捨てた。
= 心情的に愛想をつかした。)
・『Tom promised he would never forsake Taylor. 』(トムはテイラーを絶対に見捨てないだろうと約束した。)
「Abandon」の例文
・『Mike abandoned his family. 』(マイクは彼の家族を見捨てた。)
・『I abandon my career for my fiance. 』(私は婚約者の為にキャリアを捨てた。
= キャリアを置き去りにした。)
・『I abandon all my rights and follow your direction. 』(私はすべての権利を捨ててあなたの指示に従います。
= 権利を放棄、諦めて指示に従う)
まとめ
如何でしたでしょうか。
英語の様に心情背景まで単語から読めるというのはなかなか日本語にはない表現ですのでとてもおもしろい比較だったと思います。
『見捨てる』はこれ以外にも『Desert』、『Leave』、『Discard』などまだまだありますので是非調べてニュアンスの違いを比較されることをお勧めします。