この記事では、「豆腐」と「豆富」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「豆腐」とは?
豆を滑らかな状態になるまでよく潰して固めた「豆腐」の色は真っ白で、長方形か正方形などの形状に作られている食材です。
中国でよく使われている「腐」という漢字には固めるという意味があり、主にやらかい食感の固体を指します。
日本では大豆の甘みを楽しめて、つるんと喉越し良く食べられるようにがりを入れて羊羹のように固めた「絹ごし豆腐」を冷奴にしたり、豆腐の具、白和えなどにして食べられている食材です。
元々は朝鮮半島から奈良時代の日本に入ってきて、精進料理の食材として鎌倉時代には使われていました。
その後、安く買えて、栄養も摂れると人々の間に受け入れられた大豆食品です。
「豆富」とは?
老舗料亭の笹乃雪【ささのゆき】で、「豆腐」を初めて「豆富」【まめとみ】と呼びました。
この店は東京都の台東区にあり、主に湯どうふを提供しています。
店の創業は1691年と歴史があり、絹ごし豆腐を様々な料理に仕上げて客へ提供する店です。
過去には「豆腐」と言って料理を出していましたが、9代目が客の前で腕をふるっていたとき、常連客から腐るという字に抵抗があると指摘されます。
そこで、富という縁起が良い漢字を当てて「豆富」を使うようになりました。
今では関東中心にこの呼び方も定着し、認知度を高めています。
「豆腐」と「豆富」の違い
「豆腐」と「豆富」の違いを、分かりやすく解説します。
大豆を原料とした「豆腐」は、にがりを入れて滑らかでほどよく弾力がある食品です。
豆の甘みがほのかにしますが主張せず、他の食材の邪魔になりません。
「卵豆腐」は卵黄がたっぷり入ったもので、ほろよく砕ける「おぼろ豆腐」など様々な食感と出来栄えの商品が揃います。
日本には奈良時代より使われていた食材であり、安く買えるため庶民によく食べられていました。
すでに焼き色が付いていて弾力がある「焼き豆腐」や、油で揚げた「揚げ豆腐」といった様々な種類も揃います。
もう一方の「豆富」は「豆腐料理」を出す店の9代目が考案した呼び方であり、腐という漢字よりも縁起が良い「富」を使い、食材を提供するようになったのです。
まとめ
同じ食材を指す名称ですが、呼び方の由来に違いがあります。
どのような歴史があるか店のサイトや「豆腐」の専門店で比較してみるといいでしょう。