最近の国語においては、敬語のカテゴリー分けに関して新しい解釈が加えられているようです。
その中の一つ、謙譲語には「申す」という表現があります。
それでは、この「申す」とはどういう意味でしょうか。
また、「申し上げる」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「申す」と「申し上げる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「申す」とは?
「申す」とは、「言う」という言葉の謙譲語です。
基本的には自分の立場を落とすことによって相手を敬うときに使われます。
最近の細かい分類では謙譲語IIに分けられています。
「申し上げる」とは?
「申し上げる」とは、「言う」という言葉の謙譲語として定義されている単語です。
最近の細かい分類では謙譲語Iに分けられています。
その意味に関しては後述します。
「申す」と「申し上げる」の違い
「申す」と「申し上げる」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、自分の好意を一段落として他の人を敬うという性質を持った「謙譲語」の一つであり、「言う」の謙譲語であるということは同じですが、最近の国語ではこれらの明確な違いを教えています。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、その話における敬うべき対象が明確になっていないと使用できないのが「申し上げる」で、そうでなくても使用できるのが「申す」ということになります。
つまり、今伝えている相手に対して一般的な敬意を表すときにも使えるのが「申す」ということです。
これは名前を名乗って「と?申します」という言い方で使えるということです。
「申す」の例文
・『初めまして、田中と申します』
・『この商品は弊社の新製品で、ヒーリングシューズと申します』
「申し上げる」の例文
・『昨日も申し上げたように、本日の会議は10:00からです』
・『例を挙げて説明申し上げます』
まとめ
この記事では、「申す」と「申し上げる」の違いを、解説してきました。
序文でも説明したように、最近の国語では「謙譲語」を2つに分けて違いを説明しています。
これは以前の教育内容にはなかったものです。
しかし、その説明をよく噛み砕けば非常にわかりやすく、以前感じていた違和感を拭えるものでしょう。