「御宅」と「拙宅」はそれぞれ何を指す言葉でどういった違いがあるのでしょうか。
この記事では、「御宅」と「拙宅」の違いを分かりやすく説明していきます。
「御宅」とは?
「御宅」とは、「他人の家の丁寧な言い方」です。
「御宅」の「宅」は「住宅」や「邸宅」など人が生活の拠点として住む家を意味します。
「御宅」は家や住居などの住まいを指す「宅」に尊敬の意味を持つ接頭語「御」を付けた言葉です。
尊敬表現なので「御宅」は目上の人など敬意を払う対象が住んでいる家に対して用いられます。
込められている敬意は強いものではなく、一般的には人の家の丁寧な言い方として使われています。
尊敬語は自分ではない他の存在に対して使う表現なので「御宅」は自分が住む自宅以外、つまり他人の家に対してのみ用いられる表現です。
「拙宅」とは?
「拙宅」とは、「自分の家のへりくだった言い方」です。
相手に対して敬意を示すため自らをへりくだる時に使う謙譲表現です。
「拙宅」の「拙」には自分や自分に関することを謙遜する意味があり、自分自身をへりくだる場合は「拙者」自分の書いた文章をへりくだる場合は「拙文」というように自分の家をへりくだる時に「拙宅」を使います。
謙譲表現は自らをへりくだることで相手を高める敬語なので、上司やお世話になった人など自分より目上の人との会話で自宅を意味する言葉として「拙宅」が用いられます。
「御宅」と「拙宅」の違い
「御宅」と「拙宅」の違いを、分かりやすく解説します。
「御宅」と「拙宅」はどちらも人が住む家を指す敬意表現ですが「誰の家なのか」で区別します。
話している相手や第三者など他人の家を指す尊敬表現が「御宅」で自分が住む自宅をへりくだる謙譲表現が「拙宅」という、他人の家か自分の家かの違いで区別されます。
「御宅」の例文
・『先生の御宅に伺う』
・『御宅までお送りする』
「拙宅」の例文
・『よろしければ拙宅に遊びにいらしてください』
・『丘の上にある一軒家が拙宅です』
まとめ
「御宅」と「拙宅」は住む人の違いで区別されます。
はっきりした基準で使い分けられるので覚えておきましょう。