この記事では、「同工異曲」と「千差万別」の違いを分かりやすく説明していきます。
「同工異曲」とは?
「同工異曲」とは使われる手法や技巧は同じでも詩や曲によって感じる印象や趣は違うという意味です。
またそれから転じて表面的には違うように思えても本質的には変わらないことという意味もあります。
詩歌に対して使われる本来の意味は好意的な意味ですが、そこから転じた言葉は表面しか変わらず内容は似たりよったりという悪い意味で捉えられることがほとんどです。
現在「同工異曲」という場合基本的には批判的でネガティブな意味合いで使われていると思って良いでしょう。
「千差万別」とは?
「千差万別」とはあらゆるものにはそれぞれ異なる部分があり同じものはないという言葉です。
千も万も数が非常に多いことを表現する文字であり差も別も違いを表す言葉なので、あらゆる物にはあらゆる違いがあるという意味になります。
同じカテゴリーのものが並んでいるのに対してそれぞれ特徴が違うことを指すのに「千差万別」と表現するなどが使用例としてあげられますが、それぞれに違いがあることに対しては良いこととも悪いこととも見なしていません。
「同工異曲」と「千差万別」の違い
「同工異曲」と「千差万別」の違いを、分かりやすく解説します。
表面的には違うように見えても本質的には変わらないという言葉が「同工異曲」で、あらゆるものにはそれぞれの異なる部分があり同じものはないという言葉が「千差万別」です。
「同工異曲」は見せかけしか違わないというネガティブな意味で使われますが、「千差万別」はネガティブな意味もポジティブな意味も含みません。
まとめ
表面的な違いがあることはどちらも認めていますが、「同工異曲」はそれらを同じようなものとして扱う言葉なのに対し、「千差万別」はそれらを全て別のものとして扱っているというのが最大の違いでしょう。
「同工異曲」も元々はそれぞれの違いとそれによる良さを表現する言葉でしたが、現在では逆の意味になってしまっています。