「問屋場」と「伝馬役」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「問屋場」と「伝馬役」の違いとは?違い

江戸時代の流通に関係する言葉として「問屋場」「伝馬役」があります。

2つの言葉はそれぞれ何を意味しているのでしょうか。

今回は、「問屋場」「伝馬役」の違いを解説します。

「問屋場」とは?

「問屋場」とは、「街道の宿場に設置された流通拠点」です。


「問屋場」の使い方

江戸時代は交通路の整備が進み主要拠点となる都市を街道と呼ばれる大きな道がつないでいました。

江戸時代の交通手段は徒歩か馬のみで離れた土地場所へ移動するには何日も時間がかかります。

そのため街道の途中には宿場とよばれる宿泊できる小さな町が置かれ、歩いて旅する旅人が宿泊して明日の旅に備えたり長距離輸送で疲れた馬を交換したりなど交通の拠点として機能していました。

「問屋場」は街道の宿場に置かれた流通の拠点です。

公用の荷物を運ぶ人や馬の手配が主な業務で、輸送されてきた荷物を新たな人や馬に交換し引き続き輸送する中継地点として機能していた重要施設です。


「伝馬役」とは?

「伝馬役」とは、「公用の馬や人を提供する労役義務」のことです。

「伝馬役」の使い方

街道沿いの村には幕府が公用で使う馬や人の労役義務が課せられていました。

必要に応じて馬や人を提供しなければならない労役税の一種にあたる義務を「伝馬役」といいます。

「問屋場」と「伝馬役」の違い

「問屋場」が街道の宿場に置かれた人馬を手配する施設を指すのに対し「伝馬役」は公用に人馬を提出する労役義務を指す言葉です。

「問屋場」は必要に応じて「伝馬役」によって供出された人や馬を差配します。

「問屋場」の例文

・『運ばれてきた物資が問屋場に集められた』
・『問屋場で人と馬を交代した』

「伝馬役」の例文

・『伝馬役を果たす』
・『伝馬役を課される』

まとめ

「問屋場」「伝馬役」はどちらも江戸時代の流通に関わる重要な言葉ですが表している意味は全く異なります。

2つの言葉が何を指しているのか正しく理解し区別してください。

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