薫りが芳醇なパストラミとシンプルなハム、その違いとは?
この記事では、「パストラミ」と「ハム」の違いを分かりやすく説明していきます。
「パストラミ」とは?
その発祥はトルコとも言われ、肉の保存技術がなかった時代に産み出されたと言われています。
元々は牛肉で作られていたもの現代に入ると様々な肉で作られる様になったため「パストラミビーフ」など材料名を付けて表記される事がほとんどだと言っていいでしょう。
基本的には肉を塩漬けにした後に乾燥、燻製させます。
その後にご存知の方も多いでしょうが粗挽きの胡椒やマスタードなどの香辛料を塗したものです。
基本は前述した通りの過程を踏みますが、燻製の段階で香辛料を塗してしまうなど、独自の改良、工夫を施したものも日本では普遍的に見る事ができるでしょう。
「ハム」とは?
そもそもの意味合いが豚のモモ肉を塩漬けしたものであるため、多種多様に各地で発展を遂げたのが「ハム」だと言っていいでしょう。
基本的な調理工程の1つである燻製の有無はもとより、モモ肉でも骨付き肉と骨無し肉を使ったもの、はたまたもも肉以外の部位を使ったものまで千差万別。
近年ラーメンの具材や出汁への使用でトレンドになった「鶏ハム」や魚肉ソーセージならぬ「魚肉ハム」など豚以外の肉類を使ったものも多く見る事ができます。
「パストラミ」と「ハム」の違い
「パストラミ」と「ハム」の違いを、分かりやすく解説します。
前述したとおり「ハム」の定義は極めて緩いため、広義的には「パストラミ」も「ハム」の分類になると言っていいでしょう。
発祥時の経緯から見れば、前者は牛肉のバラ肉を使い、後者は豚のモモ肉を使うのが定義でした。
製造過程に関していえば、塩漬け、乾燥、燻製、スパイス塗布を「パストラミ」は行います。
一方の「ハム」は塩漬け、調味、燻製の段階を踏む違いがあります。
まとめ
広義的には「パストラミ」も「ハム」として扱われる事が多いのが事実です。
元々の定義としては「パストラミ」は牛肉のバラ肉を使った保存食であり、仕上げに多彩なスパイスを塗してあるのが特徴と言っていいでしょう。
特に日本で一般的な「パストラミ」は粗挽きの胡椒によるスパイシーさを感じられるのが「ハム」との大きな違いになります。
「ハム」は基本的には豚のモモ肉を使う事しか定義されておらず、シンプルな製造過程により定義も有象無象になったうえで世界各地で独自の発展を遂げたと言っていいでしょう。