「竣工図」と「完成図」はどちらも図面の一種ですが、それぞれどのような図面で何が違うのでしょうか。
今回は、「竣工図」と「完成図」の違いを解説します。
「竣工図」とは?
「竣工図」とは、「工事が竣工した時の状態をそのまま表した図面」のことです。
「竣工図」の使い方
建物や施設が完成し工事が終了することを「竣工」といいます。
竣工した状態を実際の工事と同じようにそのまま写し取って図面化したものが「竣工図」です。
工事はまず設計図が作成され設計図を元に各工事の手順や指示を書き入れた詳細図面に当たる施工図を作成します。
実際の工事は施工図に従って行いますが工事中にさまざまな事情で仕様や設計が変更されることは多く、実際に完成する建物や施設は当初の施工図通りにならないことがほとんどです。
工事終了後は施主に図面を引き渡しますが、この時に引き渡す図面は設計図や施工図のほか工事中に生じた仕様変更や訂正などを反映し完成した建物や施設と全く同じ状態を図面にしたものも含まれます。
完成後に引き渡す実際に行われた工事をそのまま反映した図面が「竣工図」です。
設計図や施工図はあくまで工事の予定を書いた図面なのに対し「竣工図」は現実に行われた工事の結果を表した図面です。
「完成図」とは?
「完成図」とは、「工事完成後の状態を表した図面」のことです。
「完成図」の使い方
工事の目的物の完成状態を表した図面です。
完成後の建物や施設の状態を記録する図面であり工事が全て完了してから工事概要や平面図、位置図や詳細図など工事に用いられた各種図面を用いて構成します。
「竣工図」と「完成図」の違い
「竣工図」と「完成図」はどちらも工事完了後の施設や建物の状態を記録する図面であり基本的には同じ意味で使われます。
違いとしては「竣工図」が民間の建築物で用いられることが多い言葉なのに対し「完成図」は公共工事でよく使われる行政用語です。
「竣工図」はビルや住宅など単一の建築物に使うのが一般的ですが「完成図」は道路や公園など範囲の広い公物に使う、という違いもあります。
まとめ
「竣工図」と「完成図」基本的には同じ意味ですが民間の行政の違いで区別されます。
基準を正しく理解し使い分けましょう。