工事に関係する言葉として「竣工」と「完工」があります。
よく似た意味で使われている言葉ですが、どのような基準で使い分けられているのでしょうか。
今回は、「竣工」と「完工」の違いを解説します。
「竣工」とは?
「竣工」とは、「工事が終わり建物が出来上がること」を表す言葉です。
「竣工」の使い方
鉄骨の組み立てや設備の取り付けなど必要な現場作業が終わり建物が完成することを指します。
設計図に従って作業を進め建物が完成したことを示す表現です。
「完工」とは?
「完工」とは、「必要な工事作業の全てが完了したこと」を指す言葉です。
「完工」の使い方
当初予定していた作業に加え修正や検査業務なども含め工事で必要な作業の全てが終わったことを意味します。
「完工」をもって工事のすべてが終わり建物は建設会社から施主へと引き渡されます。
「竣工」と「完工」の違い
「竣工」と「完工」の違いは「段階」です。
「竣工」は当初予定していた現場作業の全てが終わり建物が完成した段階を指す言葉です。
建物の完成後に必要な検査などはまだ実施されておらず、不備が見つかれば手直しの追加工事が必要になります。
「完工」は工事の全てが完了したこと、つまり建物の完成後の検査や登録などの手続きも含めこれ以上やることがなくなった完全な工事の終わりを指します。
工事の全てが終わったので建物は使用可能な状態です。
「竣工」の例文
・『高層ビルが竣工した』
・『作業開始から竣工まで3年かかった』
「完工」の例文
・『確認検査の終了をもって完工となる』
・『完工の翌日に引っ越した』
まとめ
「竣工」と「完工」は表す作業段階の違いで区別されますが、全く同じ意味を持つ言葉として置き換えられることもあります。
新聞やテレビなどのメディアでは「竣」という字が常用ではないことから言い換えとして「完工」を使うことがあります。
建設会社では作業段階の違いで使い分けているので覚えておきましょう。