この記事では、「夜叉」と「鬼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「夜叉」とは?
夜叉とは、古代インド神話に登場する鬼神のことをいいます。
サンスクリット語の「ヤクシャ」が語源とされ、森林に棲む精霊とされます。
男と女で呼び方が異なっており、男は「ヤクシャ」ですが女は「ヤクシニー」と呼ばれていました。
人肉を食らう鬼神ですが、人に恩恵をもたらす存在で二面性があります。
また、夜叉は仏教にも取り入れられ、仏法を守る神にも数えられます。
それから日本では、凶悪な人を比喩する言葉として夜叉ということもあります。
「鬼」とは?
鬼は日本に古くから存在している妖怪で、民話などによく登場します。
頭に1本か2本の角が生えていて、金棒を持った大男として描かれることが多いです。
ただし、決まった姿などはなく、伝説や地域、時代によって多種多様な鬼が伝えられてきました。
鬼の語源は「おぬ(隠)」とされます。
目に見えないものを表しています。
日本では季節の変わり目に鬼が生じるといわれており、節分に豆をまくのは鬼を追い払うためです。
また、子どもの遊びとして知られる鬼ごっこなど、鬼は身近なところに根付いています。
「夜叉」と「鬼」の違い
夜叉はインド発祥の鬼神で、鬼は日本に古くから存在する妖怪です。
どちらも人によって恐ろしいものとされますが、夜叉は人に恩恵をもたらすこともあります。
また、鬼も必ず悪として描かれているわけではなく、神として祀られている場合もあるようです。
鬼を描いた物語や文学も色々あり、日本の文化に根付いた身近な存在でもありました。
夜叉は鬼ほど身近に存在するわけではありませんが、近年は夜叉をモチーフにした漫画やアニメ、ゲームなども増えてきています。
まとめ
夜叉は古代インド神話に登場する鬼神ですが、鬼は日本に昔から存在しています。
夜叉には人肉を食らうなど人にとって恐ろしい面と人に恩恵をもたらす等良い面があります。
鬼は恐ろしい存在とされることが多いですが、神として崇めている地域なども稀にあります。