「身の回り」と「身の周り」はどちらも「みのまわり」と読みます。
この2つはどのような意味の違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「身の回り」と「身の周り」の違いを解説します。
「身の回り」とは?
「身の回り」とは、「身体の付近」を指す言葉です。
「身の回り」の使い方
手を伸ばせば届くくらい近い範囲を表します。
身につける小物や衣服、日常生活で使う道具など自分にとってごく近い距離やよく使う欠かせないものを指す言葉です。
「身の周り」とは?
「身の周り」とは、「関係性としての自分の周囲」を意味する言葉です。
「身の周り」の使い方
知り合いや所属先など自分と関係する行動範囲や交際範囲としての周囲を指します。
意味としては「身辺」に近く、物理的な距離ではなく社会的な関わりとしての距離が近い範囲に対して用いる表現です。
「身の回り」と「身の周り」の違い
「身の回り」と「身の周り」はどちらも「みのまわり」とよみ自分の回りや周辺を意味する言葉です。
本来は「身の回り」が正しく「身の周り」は誤った表記でしたが「回」はぐるりと一周する物理的な円を意味するのに対し「周」は取り囲むような範囲を意味するという違いから2つの表現が区別されるようになり身体との物理的な近さを強調する場合は「身の回り」、関係性の近さを強調する場合は「身の周り」という基準で使い分けられています。
元々の正しい表記は「身の回り」なので「身の周り」を「身の回り」に置き換えても問題ありませんが、「身の回り」を「身の周り」に置き換えることはできません。
「身の回り」の例文
・『身の回りの世話をする』
・『身の回りの品物を集める』
・『身の回りにはこまごまとしたものが多い』
・『身の回りのことに手一杯で他人を助ける余裕がない』
「身の周り」の例文
・『身の周りを見渡しても頼りになる人がいない』
・『彼の身の周りにはうさん臭い人物が多い』
・『身の周りをうろつく不審者に困っている』
・『身の周りに裏切り者がいる』
まとめ
「身の回り」と「身の周り」は示す範囲の違いで使い分けられています。
言葉の意味に合わせてふさわしい表現を選んでください。