古代の動物などの痕跡が発見されると、発見された土の中に含まれる放射性の「同位体」の量を測ることによって大体の生息していた年代を推測する事ができます。
それでは、ここで使われている「同位体」とはどういう意味でしょうか。
また、「同素体」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「同位体」と「同素体」の違いを分かりやすく説明していきます。
「同位体」とは?
「同位体」とは、英語では「isotope」と呼ばれるもので、同じ原子番号だが質量数、つまり中性子の数が違う元素同士のことを言います。
有名なものとしては炭素があります。
自然界の炭素のほとんどは「炭素12」と呼ばれる陽子、中性子共に6個のものですが、前述の地質年代の測定に使われる「炭素14」は中性子が8個の「同位体」で、不安定で、時間と共に放射線を放出して安定した同位体に変わってゆくため放射性同位体と呼ばれています。
「同素体」とは?
「同素体」とは、英語では「allotrope」と呼ばれるもので、同じ元素からできているのに性質が違う物質のことを言います。
最もわかりやすいのは炭素からできている黒鉛とダイアモンドです。
ダイアモンドは透明で非常に硬い物質ですが、鉛筆の芯にも使われている黒鉛は真っ黒で柔らかい物質です。
「同位体」と「同素体」の違い
「同位体」と「同素体」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは、同じ元素からできたものであることは同じですが、根本的な意味が違います。
この2つの違いを最も簡単に説明するなら、「同位体」は同じ元素番号で中性子の数が違うもの同士のことで、「同素体」とは同じ元素からできている違い性質を持つ物質のことであるということになります。
このように、最も大きな違いは性質が違うのか同じなのかという部分なのです。
「同素体」というのは明確に決まっていて、例えば前述の炭素に関しては黒鉛、ダイヤモンド、フラーレンの3つしかありません。
まとめ
この記事では、「同位体」と「同素体」の違いを、解説してきました。
この2つの英語は「isotope」と「allotrope」ですが、よく耳にする「アイソトープ」に比べて、「アロトロープ」の方はあまりメジャーではないので、アロトープと間違えないようにしなければなりません。