この記事では、「哀心」と「衷心」の違いを分かりやすく説明していきます。
「哀心」とは?
「哀心」の「哀」は「哀愁」や「悲哀」「哀憐」などに用いられる漢字です。
意味は、あわれ、あわれむ、いつくしむ、かなしい、かなしむ、です。
このように、あわれに思う心、いつくしむ心、かなしむ心、といった心情を意味するような言葉に思えますが、実際に「哀心」という言葉はありません。
誤用された言葉になります。
「衷心」とは?
「衷心」の読み方は「ちゅうしん」です。
「衷」は「折衷」や「苦衷」「和衷」などに用いられる漢字です。
意味は、なかほど、かたよらない、心の内、まごころ、です。
つまり、「衷心」とは、心の中、心の底、嘘偽りのない本当の心を意味する言葉になります。
言い換えれば、「心底」や「本音」「真心」「腹の底」「本心」などになります。
「衷心」は、「衷心より感謝申し上げます」などといった形で使用され、この場合、「心の底より感謝申し上げます」といった意味になります。
「哀心」と「衷心」の違い
「哀心」と「衷心」の違いを、分かりやすく解説します。
「哀心」と「衷心」の違いは、存在する言葉か。
存在しない言葉なのか。
といったものになります。
「衷心」は、心の中、心の底、嘘偽りのない本当の心を意味する言葉として存在する言葉ですが、「哀心」という言葉は存在しません。
「哀心」は「衷心」に漢字が似ていることから、「衷心」の誤用として用いられている言葉となります。
「哀心」の例文
・『悲しむ気持ちといった意味で哀心を用いていましたが、間違いだと気づき恥ずかしくなりました』
・『哀心といった言葉は、ありそうでない言葉だと思う』
「衷心」の例文
・『1日でも早い復興を衷心よりお祈り申し上げます』
・『衷心より詫びることで、こちらの誠意を伝えるしかありません』
まとめ
以上のように、「哀心」は「衷心」の誤用であるといった関係があります。