「酒乱」「酒豪」は、どちらも飲酒する人に関連した言葉ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「酒乱」と「酒豪」の違いを分かりやすく説明していきます。
「酒乱」とは?
「酒乱」(しゅらん)とは、酔っぱらうと言葉遣いや行動が過激になる癖のことです。
一般に、お酒を飲むとアルコールによって知覚や思考を司る脳の大脳皮質がまひするため、理性が抑えられ、気持ちが大きくなったり楽しい気分になったりします。
いわゆる「酔い」であり専門用語では「酩酊」(めいてい)といいます。
ただし、体質や飲酒量によっては酔うとひどく興奮し、言動が攻撃的になったり異常な行動をとったりすることがあります。
いわゆる「飲んで暴れる」「酒癖(さけぐせ)が悪い」と呼ばれる状態で、医学的な用語では「異常酩酊」を起こしている状態とも呼ばれています。
お酒が入るたび急に人格が変わり、暴れたり周囲といざこざを起こして迷惑をかけたりすることがありますが、本人は酔っている間の記憶がないことも少なくありません。
「酒乱」を起こす癖のある人は事故や事件に巻き込まれやすくなるため、飲酒を控えることが勧められます。
「酒豪」とは?
「酒豪」(しゅごう)とは、非常にお酒に強く、大量に飲酒をしても酔っぱらうことがない人のことです。
一般に、お酒を飲むと摂取したアルコールによって酔い、顔が赤くなったり言動が快活になったりします。
また体内で代謝されたアルコールが毒性を持つアセトアルデヒドという物質が生成され、吐き気や頭痛といった不快な症状を引き起こしやすくなります。
ただし、アルコールを代謝する能力には個人差があり、アルコールを代謝する能力が高い体質の人はいくらお酒を飲んでもほとんど酔うことがありません。
そのような体質の人に、お酒の飲むのが大好きで大量に飲酒しても平然としている「酒豪」がみられます。
「酒豪」は、底なしにお酒が飲めることから、水が貯まらずに漏れていくことにちなんで「ざる」とも呼ばれます。
「酒乱」と「酒豪」の違い
「酒乱」と「酒豪」の違いを、分かりやすく解説します。
「酒乱」「酒豪」とも、酒好きでたくさんお酒を飲むよう人物像がイメージされる言葉ですが、意味は全く異なります。
「酒乱」は、お酒に酔うと急に人格が変わって言葉遣いや行動が過激になる癖のことです。
一方「酒豪」は、お酒に強く、いくら飲んでも酔わずに平然としている人の俗称で、「酒乱」のように興奮して暴れたり迷惑行為を起こしたりすることはありません。
「酒乱」はお酒の強さにかかわらず、酔っぱらうと態度がひょう変してしまうところが「酒豪」と異なっています。
まとめ
「酒乱」はお酒に酔って暴れる癖のことで「酒豪」はお酒に強く大量に飲酒しても酔わない人を指します。
「酒乱」はトラブルにつながりやすいので、「酒乱」の癖がある人は飲酒をコントロールしなければなりません。