この記事では、「卯」と「兎」の違いを分かりやすく説明していきます。
「卯」とは?
「卯」は十二支のうちの1つであり、「子」から数えて4番目に位置します。
シンボルとしてあてがわれている動物はウサギです。
そもそも、十二支とは年月や時刻、方角などを図るために用いられていた指標であり、「卯」は「草木が生い茂る時期」のことを表しています。
その後、十二支をより分かりやすいようにするために後付けで12匹の動物たちがあてがわれたのです。
したがって、「卯」という漢字に本来「ウサギ」という意味は含まれません。
「兎」とは?
「兎」は主に動物の「ウサギ」を意味する漢字です。
その他、月にはウサギが住んでいるという伝承から「月の異名」の意味も含まれています。
「兎」という漢字ですが、長い耳と短い尻尾を持つ「ウサギ」の姿をかたどった象形文字から成り立ちました。
「ウサギ」は兎形目ウサギ科に属する哺乳類であり、漢字の由来ともなったように長い耳が特徴と言えます。
この長い耳ですが、風や音のする方向へ向くように動かすことができる他、風に当てることで体温調節の機能もあると考えられています。
また、ネズミと同じような歯をもっていることからかつては齧歯目に加えられていました。
その他の特徴として、「ウサギ」は前脚を使って顔を撫でたり、耳を撫でる仕草をしますが、これは衛生状態を保つためと考えられています。
「ウサギ」の唾液には衛生状態を維持する成分が含まれており、それを前脚に付け、各部位に塗り付けているのです。
「卯」と「兎」の違い
「卯」は十二支における「ウサギ」という意味でのみ用いられています。
それに対して、「兎」は主に動物の「ウサギ」という意味で用いられています。
したがって、「うさぎ年」を指すときは「卯年」と表記され、「兎年」とは表記されません。
逆に、それ以外で「ウサギ」を指すときは「兎」の字が用いられ、「卯」が用いられることはありません。
まとめ
「卯」と「兎」はどちらも「ウサギ」という意味を含める漢字ですが、「卯」は「十二支としてのウサギ」という意味に限って使われています。
対して、「兎」は「動物としてのウサギ」という意味で使われているということでした。