実は深刻な環境問題に発展している植物2種について解説!この記事では、「イヌノフグリ」と「オオイヌノフグリ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「イヌノフグリ」とは?
オオバコ科クワガタソウ属の越年草。
名前の由来は“犬の陰嚢”を指す奇妙・珍妙性も手伝って、極めて知名度は高い花の1つだと言えるでしょう。
かつては初春、春の訪れを連想させる花の1つでした。
その柔らかい優しい桃色で日本人好みの色彩を持った花をつけます。
またその実は玉を2つ繋げた形状。
日本における在来種の植物の1つです。
「オオイヌノフグリ」とは?
明治初年にヨーロッパから導入されると既に大正時代には全国で普遍的に見られる程日本に定着したのが本種です。
近縁種とはいうもの花は大きく艶やかな菫・瑠璃色。
いわゆる雑草ですがその花の色から極めて目立つ存在とも言えます。
またその実はハート型であるため、小学校低学年時代には摘んだ記憶のある女性も多いと思われます。
「イヌノフグリ」と「オオイヌノフグリ」の違い
「イヌノフグリ」と「オオイヌノフグリ」の違いを、分かりやすく解説します。
前者も海外から導入された帰化植物な可能性もありますが、その時期はわからず江戸時代に名前が付けられた事もあり、在来種として扱われています。
後者はわずか50年で日本全土でその姿を見掛ける様になった外来種です。
近年では後者が前者を完全に駆逐。
生息環境の悪化も伴い環境省のレッドリストに掲載されるほど姿を減らしました。
「オオイヌノフグリ」のサイズは「イヌノフグリ」を含めた近縁種よりも遥かに大きいため、外見だけでその品種の違いは一目瞭然と言えるでしょう。
その他の違いは「イヌノフグリ」の実は丸を2つくっつけたものなのに対して「オオイヌノフグリ」の実はハート型。
また葉もギザギザ部分が前者の方が少ないと言えます。
生態面では「イヌノフグリ」は寒いうちから花をつけますが、「オオイヌノフグリ」は春になってから花を咲かすのも大きな違いだと言っていいでしょう。
まとめ
「イヌノフグリ」は江戸時代には既に一般的に日本で見られた在来種の植物。
「オオイヌノフグリ」は明治初年の導入後わずか50年で日本に定着した外来種の植物です。
見掛ける数の違いも手伝って両者の違いの判別は比較的容易だと言えるでしょう。
名前に大きいを示す言葉が入っているとおり、サイズが決定的に違います。
花の色も「オオイヌノフグリ」が鮮明な菫色で目立つのに対して「イヌノフグリ」も美しい桃色ですが如何せん花が小さく目立ちません。
名前の由来となった実も前者は玉を横に2つ連結させたものなのに対して、後者はハートを思わせる実の付き方をします。