この記事では、「吟詠」と「詩吟」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「吟詠」とは?
作者がいかに自分の感情を詩で表現できるか表すのが「吟詠」【ぎんえい】です。
そのときの心情をうまく言葉に表し、聞く人が情景を想像できるかを自分なりに考えて、感情を込めて声で伝えます。
ただ吟じるのではなく、人間が持つ心をいかにうまく表現できるかに意味があるわけです。
また、詩にするときは節をつけて「歌謡吟詠」といった歌と合わせて吟じる大会も開催され、吟詠家の情景を垣間見られる邦楽を楽しめます。
「詩吟」とは?
独特な節回しを取り入れて和歌を歌うことを「詩吟」【しぎん】といいます。
ときに漢詩を吟ずる芸能は吟道【ぎんどう】といった言い方でも表現する言葉です。
悲しみや喜びといった感情を込めたり、憤りや感激といったものを声に出し、今の心境をうまく伝えるのも「詩吟」の楽しみになります。
言葉を読んだ後はより自分の感情を表すため余韻を付けて歌うわけです。
「吟詠」と「詩吟」の違い
「吟詠」と「詩吟」の違いを、分かりやすく解説します。
感情を伝えるのが「吟詠」であり、心情をうまく表すところに焦点を当てているわけです。
琵琶歌の漢詩の独り立ちした訓読では、そのときの心情を込められるかが大事であり、現代、新体詩といった詩の型にはまらず節調を魅力的につけます。
もう一方の「詩吟」は他にない言い方で節を回して、漢詩の訓読を感情持って吟じるのが魅力です。
声を出すときは喉に力は要れず、腹部に声が届くように出します。
この「詩吟」には初段や級、伝、師範位といった階級があり、最初は一般から始まり、師範位に昇るのが楽しみ方の一つです。
「吟詠」の例文
・『袴を穿いた若い男性は、吟詠にのせて熱心に剣詩舞を踊る』
・『兄は時間があればテンポ良く歌う吟詠で近体詩を楽しむ』
「詩吟」の例文
・『邦楽五音階が基本で、1曲あたりの詩吟は1分30秒ほどになる』
・『胸式と複式という呼吸法を用いて、声が全身に届くように吟じる』
まとめ
似ているようで表現方法や歌い方などに違いがあります。
どのような歌い方するか、吟じるか動画で比較してみるといいでしょう。