この記事では、「水飴」と「砂糖」の違いを分かりやすく説明していきます。
「水飴」とは?
駄菓子屋でも“ねりあめ”を見かけなくなりましたが、割り箸を捏ねて空気を含ませて硬くして食べる「水飴」を指します。
現在では自宅でのクッキングレシピの原材料として使う方も多いのではないでしょうか。
コーヒーや紅茶への甘味料としてだけではなく金山寺みそなどを自作する場合の材料としても使います。
「水飴」の主成分は“麦芽糖”になります。
既に紀元前600年代の神武天皇の時代には玄米から作った「水飴」があったと言われるほど歴史は古く、江戸時代の飴売り屋の存在は有名だと言えるでしょう。
「砂糖」と比べると上品な甘さがあると知られています。
「砂糖」とは?
日本における歴史は江戸時代以降で第8代将軍徳川吉宗が奔走して砂糖の国産化を推し進めた事実は教科書ではあまり詳しく紹介されない功績の1つです。
同時に薩摩藩のサトウキビ栽培事業が進展し、徐々に「砂糖」が手に入る様になっていきました。
「砂糖」の原材料として有名なのはいわずと知れたサトウキビ、そしててんさいことサトウダイコンによるものです。
原料の汁を濾過、結晶化して原料糖を作ったうえで、精製糖工場でさらに濾過と分離を繰り返して不純物を完全に取り除き結晶化。
最後に乾燥させて終了ですが、「砂糖」の白さを引き出すには驚くほどの手間が掛かっている事は忘れてはいけません。
「水飴」と「砂糖」の違い
「水飴」と「砂糖」の違いを、分かりやすく解説します。
「水飴」はでんぷんを麦芽の酵素により人工的に糖化させたものになります。
主成分はいわずと知れた麦芽糖です。
甘みは「砂糖」と比較した場合には控え目であり、基本的には後味がスッキリしているのが特徴だと言えるでしょう。
ねりあめが後味をひくのはそのフレーバーの甘味によるものです。
「砂糖」は主にサトウキビとサトウダイコンの汁を精製して作られるショ糖であるのが大きな違いと言えるでしょう。
「砂糖」の甘みは強く「水飴」の約1. 5倍だと言われています。
また大きな違いとしては「砂糖」は原料の汁を徹底的に精製して乾燥させた結晶であること。
「水飴」はその見た目から解るとおり1/5が水分になります。
まとめ
「水飴」の歴史は古く日本では紀元前660年の神武天皇が作っていた記載が残るほどです。
でんぷんを麦芽の酵素を使って糖化させたもので主成分は麦芽糖になります。
「砂糖」の歴史もそれなりに古いもの庶民の口に手に入るのは明治時代になってからの事でした。
江戸時代の職業として存在していた飴売り屋は「水飴細工」をその場で作るもので「水飴」は既にそれ以前から一般民衆の貴重な甘味だったのは間違いありません。
また「砂糖」の主成分はサトウダイコンやサトウキビの汁を精製したショ糖になります。
その甘さは「水飴」を遥かに凌ぐ1. 4〜1. 5倍程度。
その甘さゆえに明治中期以降は取って代わる形で普及したと言えるでしょう。