この記事では、「小鹿田焼」と「小石原焼」の違いを分かりやすく説明していきます。
「小鹿田焼」とは?
小鹿田焼とは、大分県日田市にある小鹿田皿山という地域で作られている伝統的な焼き物です。
地区全体が小鹿田焼の里として重要文化的景観に指定されています。
小鹿田焼は江戸時代に、小石原焼の分流として誕生しました。
金属製のヘラで付けられた素朴な幾何学模様が特徴で、現在も全ての工程を手作業で行っています。
1995年には国の重要無形文化財に指定されました。
窯元は代々、弟子を取らず長子が相続することで技術を伝えてきたのです。
「小石原焼」とは?
小石原焼とは、福岡県朝倉郡東峰村で作られている焼き物のことをいいます。
江戸時代に福岡藩の藩主が伊万里から陶工を招いて窯場を開いたのが始まりとされます。
小石原焼の特徴は、ろくろを回しながらハケなどで付ける幾何学模様です。
飛び鉋(とびかんな)や刷毛目(はけめ)といった技法が用いられています。
その模様は素朴ですが美しく、高い技術が必要です。
「小鹿田焼」と「小石原焼」の違い
江戸時代に最初に誕生したのが小石原焼で、そこから派生して生まれたのが小鹿田焼です。
そのため小鹿田焼は小石原焼の特徴を受け継いでおり、どちらも幾何学模様が特徴になります。
国際的に有名になったのは小鹿田焼で、民藝運動を広めた柳宗悦によって紹介されました。
その後、小鹿田焼のルーツである小石原焼も注目されるようになり、小鹿田焼と小石原焼はどちらも海外で知られるようになります。
小鹿田焼と小石原焼の違いは、原料となる土にあります。
小鹿田焼に用いられる土は小石原焼の土よりも、鋭い切込みを入れやすいとされます。
そのため焼き面に施される幾何学模様が際立って見えます。
まとめ
小鹿田焼は小石原焼から生まれた焼き物なので、幾何学模様など共通点も多いです。
小鹿田焼と小石原焼の違いは原料となる土の性質にあります。