近年消毒以外の用途で話題に?この記事では、「オキシドール」と「過酸化水素水」の違いを分かりやすく説明していきます。
「オキシドール」とは?
日本薬局方名であり、その実は濃度2. 5〜3. 0%の過酸化水素水になります。
昭和を代表する消毒液として極めて有名。
特に40代以上の方は校庭で転んでできた擦り傷に本液をかけられた方は多い事でしょう。
かけられた時にサイダーの様に泡が発生。
その泡は酸素でありそれに傷口を洗い流す洗浄効果があるとされていました。
近年は消毒液以外の用途で使われた事で話題になりました。
それは国際テロ組織が好んで使うTATP爆弾の原材料になる事です。
特に近年はインターネットで爆弾の作成方法が公開されている場合も多く、テロまではいかないもの興味本位で作るマニアが存在。
それもあり国内No. 1の出店数を誇る処方箋薬局『ウエルシア薬局』では「オキシドール」はネットでの複数購入は自動キャンセルになるほどです。
店頭でも複数本購入する際には販売者からの説明がはいるほど。
近年はそれほど消毒液以外で危険な使われ方をしている事がわかるはずです。
「過酸化水素水」とは?
H2O2の化合物として知られており、現代では半導体の洗浄液として、古くは製紙パルプの漂白剤として大量に使用されています。
またいわゆる酸素系漂白剤において過炭酸ナトリウムとともに液体漂白剤の原料として使われているのは有名。
商品名でいえば『花王』の「ワイドハイター」がもっとも知名度が高いと思われます。
「オキシドール」と「過酸化水素水」の違い
「オキシドール」と「過酸化水素水」の違いを、分かりやすく解説します。
「オキシドール」は2. 5〜3%「過酸化水素水」の日本薬局方名にあたります。
人体への使用が想定されていますので、工業用の「過酸化水素水」と比較すれば毒性は無く無害と言えるでしょう。
「過酸化水素水」は前述した様に国際テロ組織ISILが好んで使う高性能爆弾TATPの原材料に使われるほか、魚雷の動力源やロケットエンジン、有名なUボートの動力源など第二次大戦中から軍事利用もされています。
また世界各地で爆発事故もあるほど高濃度の「過酸化水素水」は扱いが危険だと言っていいでしょう。
まとめ
「オキシドール」は日本薬局方名であり、実のところは薄い「過酸化水素水」だと言っていいでしょう。
「過酸化水素水」はH2O2の化合物であり、様々な用途で使われます。
薄いものは消毒液や酸素系漂白剤として、また工業用は半導体の洗浄や製紙パルプの漂白剤としても使われています。
さらに高濃度のものは取り扱い自体が難しく古くから爆発事故を起こしてきました。
現在でも高濃度のものはイスラム国が使用するTATP爆弾に使用されるほどです。
「過酸化水素水」は全ての濃度のものを指します。