「退避」と「避難」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「退避」と「避難」の違い生活・教育

この記事では、「退避」「避難」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「退避」と「避難」の違い

「退避」とは、生命が脅かされる状態から離れること、災害の影響を受けないようにある場所から離れることです。

「避難」とは、生命が脅かされる状態から離れること、災害の影響を受けないようにある場所から離れることです。

2つの言葉の意味に大きな違いはありません。

どちらの言葉も同じことを意味しています。

海底で起こった地震によって海水が上下すると津波が発生します。

地震が起こってから津波が起こるまでに時間差があるので、津波の影響から逃げることは可能です。

津波が起こると心配されるときには、高い場所に逃げるようにといわれています。

土地が低い場所にいては、波に飲み込まれて生命を失う危険があります。

この危険を状態を避ける行動が「退避」「避難」です。

津波以外にも危険な事柄はあり、それらを避けることも2つの言葉は意味しています。


「退避」と「避難」の使い方の違い

危険な状態を避けることという意味で使用します。

同じ意味なので同じような使い方です。

しかし、同じ使い方ができないことがあります。

「避難」「避難民」という使い方ができますが、「退避民」とはいいません。

避難民とは、災害や戦争などで逃げてきた人です。

「避難訓練」とはいいますが、「退避訓練」はあまり聞きません。

避難訓練とは、災害や犯罪などを想定して逃げる練習をすることです。


「退避」と「避難」の英語表記の違い

「退避」は英語で“take shelter”と表現をします。

「避難」は英語で“refuge”“shelter”と表現をします。

「退避」の意味

「退避」とは、生命の危険を避けるためにある場所から立ち去ることです。

地震、火事、津波などは、生命を脅かす現象です。

もし地震があったときに家の中に居続ければ、建物が倒壊をして自信が押しつぶされてしまう危険性があります。

もし火事があったときにその場所に居続ければ、自分が燃えてしまったり、煙を吸い込んで意識がなくなったりし、生命が危険にさらされます。

こういった事態を避けるために、その場所から立ち去ることを、この言葉は意味しています。

「退避」は災害の影響から逃げることだけを意味しているのではありません。

近年、街中にクマが出現するようになりました。

クマは力のある動物なので、襲われたら人間の命が危険にさらされます。

命を守るためにできる行動はいくつかあり、状況によって適切な行動が違いますが、「退避」も身を守るためにできる行動の一つです。

いきなり走るとクマがびっくりして襲ってくる可能性があるので、クマの方を見ながらゆっくりとその場を立ち去るようにします。

この行動が「退避」です。

「退避」の使い方

災害時に使われることが多くあります。

災害は生命を脅かす危険な状態です。

「退避」は危険な状態から離れるという意味を持っている言葉なので、災害時に使われることが多いのです。

その他にも、身に危険が迫るような場面で使用されています。

日常生活で身に危険が迫ることは多くはないので、日常生活で使うことは少ないでしょう。

日常では、テレビや新聞などのニュースで見聞きすることがあります。

「退避」を使った例文

・『クマをみかけたら、その場からゆっくり退避してください』
・『人々を屋外に退避させた』
・『退避してきた女性は取り乱した様子だった』
・『速やかに退避する』

「退避」の類語

「避難」「退散」「退去」が類語です。

「退散」には、その場から散らばるように逃げるという意味があります。

「退去」とは、その場所から別の場所に移ることです。

「退避」の対義語

逃げないという意味の言葉が対義語です。

その意味を持つ言葉は「留まる」です。

「避難」の意味

「避難」とは、生命や身体が損害を受ける可能性がある状態を避けること、災害を避けることです。

雷はどこに落ちるかわからないため、屋外にいると危険です。

とくにゴルフ場など周囲にものが少ない場所は、雷が落ちやすいとされています。

落雷の被害を受けないようにするためには、屋内に移動することが重要です。

もしも屋外に居続ければ、落雷にあって生命が危険にさらされる可能性があります。

こういった状態にあわないようにするために、危険な場所から立ち去ることを「避難」は意味しています。

落雷以外にも危険な状態はあります。

たとえば土砂崩れです。

家の裏側に山があり、そこが崩れてきたら、家が押しつぶされてしまいます。

もし家の中にいたら、家と一緒に人間も押しつぶされてしまうことでしょう。

生命が危険にさらされます。

土砂崩れはある程度、予想できます。

危険を避けることができるのです。

この危険を避ける行動を、この言葉は意味しています。

「避難」の使い方

災害など危険な事柄を避けて、安全な場所に移動するという意味で使用をします。

災害は頻繁にあることではないので、日常生活で頻繁に使う言葉ではありません。

テレビや新聞などのニュースでは、使われることが多くあります。

避難訓練、避難民など、「避難○○」という使われ方もします。

他には、避難階段、避難勧告、避難場所、避難区域、避難情報などの言葉があります。

地震があった後には、避難袋という言葉を見聞きする機会が増えます。

避難袋とは、災害時に持ち出すものを入れてある袋のことです。

避難袋を用意しておくと、何かあったときにそれを持ってすぐに逃げることができます。

「避難」を使った例文

・『早く外に避難してください』
・『愛犬を連れて避難する』
・『避難場所を確認する』
・『高い場所に避難する』

「避難」の類語

「退避「退散」「退去」が類語です。

「避難」の対義語

逃げることなく同じ場所にいるという意味の言葉が対義語になります。

その言葉は「留まる」です。

まとめ

2つの言葉が持っている意味は同じで、使われる場面もほぼ同じです。

しかし「避難民」とはいっても「退避民」といわないなど、同じ使い方ができないことがあり、この点が2つの言葉の違いです。