この記事では、「水墨画」と「墨絵」の違いを分かりやすく説明していきます。
「水墨画」とは?
水墨画は、すいぼくがと読むべき言葉です。
漢字で記載されたこの言葉を目にすれば一目瞭然な事でしょうが、墨を用いてその濃淡で描くという意味を持っている水墨の漢字に、絵を描くとか物の形を描き表した物といった意味を有する画の漢字を組み合わせる事で完成した言葉となっています。
以上の事から水墨画は、墨の濃淡を駆使して描いた絵画を示すのです。
中国の唐代中期頃に始まったとされる画法で、墨を濃くしたり逆に淡く薄くするといった濃淡により表現するのが、水墨画の特徴となっています。
「墨絵」とは?
墨絵は、すみえと読むのが正解な言葉です。
漢字で書かれたこの言葉を見れば理解出来る事ですが、膠や煤等を原料とする黒色の書画材料といった意味の墨の漢字に、物の形を描いて表した物という意味がある絵の漢字を付け足す事により成立した言葉だったりします。
故に墨絵は、墨を駆使して描いた絵画全般を表すのです。
より具体的に言うと、墨の濃淡を使って描いた水墨画や、墨で輪郭だけを描いた白描画といった墨を利用して描いた絵を全般的に指し示す事が出来る言葉となっています。
「水墨画」と「墨絵」の違い
水墨画と墨絵の漢字表記を比べると、使用している漢字も読み方も全然違う言葉同士であると気付く事が可能です。
所がどちらも墨を使って描いた絵を表現する言葉であるため、ややこしい部分はあります。
とはいえ水墨画は、墨の濃淡を使って描いた絵を示すのです。
一方の墨絵は、墨を使用して描いた絵を全般的に表す言葉で、水墨画も墨絵の1種となっています。
まとめ
2つの言葉は、使用している文字も読み方も全然違う言葉同士です。
ですが共に、墨を駆使して描かれた絵を指し示す言葉であるため、混同する恐れは十分にあります。
ただし同じ様な意味でも、表現する意味合いには相違点を見出す事が可能です。
ちなみに水墨画は、墨の濃淡を利用して描かれた絵や画法という意味で使われる言葉となっています。
対する墨絵は、水墨画も含めて墨で描かれた絵の全般を表現する言葉として、用いられているのです。