この記事では、「白磁」と「陶器」の違いを分かりやすく説明していきます。
「白磁」とは?
白磁とは磁器の一種で、白色の素地に透明の釉薬をかけて焼いたものをいいます。
中国が起源とされ、日本には16世紀末に伝わりました。
豊臣秀吉が朝鮮に出兵した文禄・慶長の役の際に、朝鮮から連れてきた陶工によって伝えられたものです。
純粋な白磁の焼き物はあまり多くはなく、絵付けのための素地として用いられていました。
また、白磁の原料には白色の粘土や陶石が用いられています。
「陶器」とは?
陶器とは有色の粘土を焼いて作る焼きもののことをいいます。
焼きあがっても土の色味が残っています。
焼く際の温度は1100℃から1300℃程です。
日本を代表する陶器には、益子焼や信楽焼、萩焼、唐津焼などがあります。
益子焼は栃木県の益子町で作られている陶器で、土のゴツゴツとした質感があるのが特徴です。
漆黒や柿と呼ばれている赤茶色の釉薬を用い、重厚感のある焼きものに仕上げています。
信楽焼は滋賀県で作られている陶器で、日本六古窯の1つに数えられます。
信楽焼には狸の置き物などもあります。
「白磁」と「陶器」の違い
白磁と陶器では、使用する原料にまず違いがあります。
陶石か白色の粘土にガラス質の珪石や長石を加えたものを使うのが白磁で、焼きあがると白い色をしています。
陶器は土色の粘土を原料としており、焼き上がると土色の色味が残っています。
また、焼き上げる温度にも違いがあり、白磁の方が高い陶器よりも高い温度で焼き上げます。
そのため磁器の方が硬く、割れにくくなっています。
それから吸水性の有無にも違いがあります。
陶器には吸水性がありますが、磁器には吸水性はありません。
まとめ
白磁は磁器の一種で、陶石や白色の粘土を原料としています。
陶器の原料は、土色の粘土になります。
白磁の方が陶器よりも硬く、割れにくいです。
吸水性があるのは陶器になります。