この記事では、「下克上」と「下剋上」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「下克上」とは?
上位者に対して下位者が打ち負かし、権力を脅かすことを「下克上」【げこくじょう】といいます。
この言葉が出てきたのが平安時代の末期で、貴族の権力を奪い取り、その地位につく下層階級が成り上がるといった時代の社会風潮を表す言葉だったのです。
その動きが室町時代になると活発になり、農民が殿様にまでなったように、戦国時代まで「下克上」は続きました。
「下剋上」とは?
実力で上位の者を打ち倒して地位を奪う下位者の行為を「下剋上」【げこくじょう】といいます。
権力を誇示し、態度の大きな上位者であれば許せぬ気持ちでぶつかり、蹴落としてその地位に就いてやるといった強い意気込みを表す言葉なのです。
「下剋上」の「剋」には打ち勝つ、削いでけずるといった人の気持ちや野望を表す際に使われています。
「下克上」と「下剋上」の違い
「下克上」と「下剋上」の違いを、分かりやすく解説します。
下の立場の者が上司や社長といった権力を持つ人の地位を奪い取るため自分から打ち負かすといった意味で使われているのが「下克上」です。
もっと強く上位者を打ち負かすという意味で使われているのが「下剋上」ですが、常用漢字として使われているのが「下克上」であるため、メディアや新聞にはこの漢字が使われているところが違います。
「下克上」の例文
・『権力にかまけて、仕事をまっとうしない上司に下克上する』
・『社員を見下し、地位をひけらかす社長に下克上を叩き付けた』
「下剋上」の例文
・『卑怯な方法で人の仕事を奪う上司に下剋上して、退職に追い込んだ』
・『親戚がいる前で下剋上して、浮気した婚約者に恥じをかかせた』
まとめ
同じ読み方をする言葉ですが、意味が少し違うのと、常用漢字ではないといった点が異なりますので、場面により使い分けてみるといいでしょう。