この記事では、「土蔵」と「蔵」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「土蔵」とは?
伝統的な建築様式である「土蔵」【どぞう】は、二階建てで真っ白な壁の外観が一般的です。
しっかりした木骨を組み合わせたところに、劣化を防ぐ水酸化カルシウム入りの漆喰加工した土壁を採用し、雨、風、紫外線で劣化して割れたり、ヒビが入らないようにするのです。
四面に漆喰を塗った30cmにもなる防火性に優れた壁で囲まれている火に強いこの建物は、中へ簡単に雨が染み込みません。
また、調湿性もある珊瑚の化石を焼いたものに炊いた海藻を入れたり、丈夫で切れにくい麻の繊維を混ぜるといった方法で造る「土蔵」もあります。
「土蔵」に入れるものとしては、絵画や掛け軸、壷といった骨董品が多く、母屋が火事になっても引火しにくい建物です。
「蔵」とは?
蔵造りで建てられている「蔵」【くら】は、物をしまったり、埋蔵金をしまっておく所です。
家財を保管しておくのに使われている建物であり、他にも「土蔵造り」といった建物があり、日本では「土蔵」も「蔵」と呼んでいます。
特徴としては、20cmから30cmにもなる分厚い壁厚を採用し、紫外線から貴重品を守るだけでなく、湿度が一年中ずっと保てるのも魅力です。
冬でも暖かく、夏も室内の気温が高くなりすぎず、気温が良い状態に調整されます。
湿度も調整されるためカビが生えにくく、着物や掛け軸、絵画も良い状態で保管できる便利な建物です。
「土蔵」と「蔵」の違い
「土蔵」と「蔵」の違いを、分かりやすく解説します。
「蔵」の一部として「土蔵」があり、木骨に30cmもの土で壁を作った建物を指します。
外壁には漆喰をたっぷり塗り、雨が染み込まず、ヒビが入らないよう良い状態を保つ建物を指すわけです。
四面を分厚い土壁で囲まれているため中は一年を通して涼しく、火で燃えにくいので安心して保管できます。
もう一方の「蔵」は家財道具を良い状態で保管できる建物であり、湿度も調整され、気温も一年を通して快適なのでカビも生えにくく、劣化を防ぐ建物です。
そんな2つの建物の大きな違いは、鎌倉時代にはすでに「蔵」がありましたが、火事が増えた江戸時代にはより防火性に優れた「土蔵造り」が増えます。
まとめ
骨董品や家財道具を保管するのに最適な環境を生み出す「蔵」についてご紹介しました。
どのような壁か、中はどうなっているか画像や資料で調べてみるのも良い発見になるでしょう。