この記事では、「イナゴ」と「コオロギ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「イナゴ」とは?
「イナゴ」とは、直翅目イナゴ科イナゴ属に分類される昆虫の総称であり、漢字では「蝗」や「稲子」などとも表記されます。
「イナゴ」は稲を食する害虫とされていますが、海産物が少ない山間地帯においては、水田から獲得できる重要なタンパク源として食用もされています。
古くより、内陸部で生活する稲作民族にとって、タンパク質やカルシウムを得るのは困難でした。
そのため、「イナゴ」の食用は害虫駆除に加えて、タンパク質やカルシウムが得られるため、非常に合理的で都合が良かったのです。
「イナゴ」の昆虫食としては長野県の郷土料理である「いなごの佃煮」が有名です。
「イナゴ」を食べる文化は日本のみならず、アジアや中東、アフリカなどでも確認されています。
「コオロギ」とは?
「コオロギ」とは、直翅目コオロギ科に分類される昆虫の総称です。
漢字では「蟋蟀」や「?」などとも表記され、「しっそつ」や「しっしつ」、「しっしゅつ」とも呼ばれます。
草食や肉食のものもいますが、ほとんどの「コオロギ」が雑食であり、植物や小さな昆虫、動物の死骸を食する他、ときには共食いすることもあるようです。
主な天敵にはクモやカマキリ、ムカデ、トカゲ、カエル、鳥類がいます。
日本において、「コオロギ」は古くから馴染みのある昆虫の1つであり、「ヒヨヒヨ」や「コロコロ」、「キリキリ」などと表現される鳴き声は風情があるとして、ペットとしても飼われていたのです。
また、「コオロギ」は世界各地で食用とされてきました。
日本では、山形県や長野県、福島県、新潟県の一部地域でエンマコオロギやミツカドコオロギ、ヒメコオロギなどが食材として利用されています。
近年、「コオロギ」は昆虫食として、人類の食糧危機を救う存在となりえることが国際連合食糧農業機関より発表されました。
「イナゴ」と「コオロギ」の違い
「イナゴ」と「コオロギ」の違いを、分かりやすく解説します。
「イナゴ」とは、直翅目イナゴ科イナゴ属に分類される昆虫の総称です。
対して、「コオロギ」とは、直翅目コオロギ科に分類される昆虫の総称になります。
まとめ
「イナゴ」と「コオロギ」は生物学上の分類が異なる昆虫ということでした。