この記事では、「全盛期」と「最盛期」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「全盛期」と「最盛期」の違い
「全盛期」とは、「過去から現在に至るまでの間を振り返ってみたときに、もっとも実力・実績・人気などが盛んな時期」を意味する言葉です。
「最盛期」のほうは、「今までの履歴(過去)を振り返った際に一番盛んな時期」よりも「現時点において一番盛んな時期」という意味のニュアンスが強い違いがあります。
「最盛期」は「全盛期」と比較すると、「一番力を持っているピークが続く時期・時間が短い」という違いも挙げられます。
さらに「最盛期」には「農業において果物・野菜の出荷が一番多忙になる時期」の意味がありますが、「全盛期」にはその意味がない点も異なっています。
「全盛期」と「最盛期」の使い方の違い
「全盛期」は、「過去を振り返ってみて、もっとも活力・能力・人気などを誇っていた時期」を意味して使います。
それに対して「最盛期」は、「現在の時点においても、もっとも能力・勢力・人気などが盛んな時期」を指して使うという違いがあります。
「最盛期」には、「今がメロン出荷の最盛期です」のように「果物類などの収穫・出荷がピークになる忙しい季節」の意味で使う使い方もあります。
しかし、「全盛期」はその使い方はできないため、「今がメロン出荷の全盛期です」という文章は間違いということになります。
「全盛期」と「最盛期」の英語表記の違い
「全盛期」は、英語を使って表現すると以下になります。
“heyday”……過去に一番盛んで、人気や力を持っていた素晴らしい日々。
全盛期。
“golden age”……過去にもっとも勢力や実績があった黄金時代。
全盛期。
“glory days”……過去にもっとも力を持っていた栄光の時代。
全盛期。
“florescence”……花が開花している状態。
もっとも繁栄している時期としての全盛期。
「最盛期」は、英語を用いて表記すると以下になります。
“heyday”……過去の若い頃に、もっとも人気や勢いがあった日々。
最盛期。
“prime”……今までの人生においてもっとも充実していた良い時期。
最盛期。
“the season”……農作物の出荷がピークになる季節。
農業関連の最盛期。
「全盛期」の意味
「全盛期(ぜんせいき)」とは、「個人・国・チームの実力および人気がもっとも盛んな時期」を意味しています。
「全盛期」というのは、「現時点から過去を振り返ったときに、一番力や勢いがあったと思える時期」といったニュアンスを持っている言葉です。
そのため、「全盛期」の表現には「今の時点においては、すでにそのもっとも勢いのあった全盛期のピークは過ぎている」といった含意もあるのです。
「全盛期」の使い方
「全盛期」は「その人物・集団・国家などが、現在までの間で一番勢いを持っていた時期」の意味合いで使う使い方になります。
その使い方を前提にして「全盛期」の表現は、「まさに今が彼女の全盛期です・全盛期を過ぎたといってもさすがは元王者です」のような文章で使用することができるのです。
「全盛期」を使った例文
・『今のイギリスの領土は小さなものですが、大英帝国の全盛期には世界の4分の1を領有するほどでした。』 ・『プロ野球選手は全盛期を過ぎても、それまで培った技術やノウハウで現役をしばらくは続けられます。』 ・『たとえ私が全盛期であったとしても、現在のチャンピオンに打ち勝つことはおそらくできないでしょう。』 ・『全盛期の力を維持しているつもりでいても、年齢による気力体力の衰えには勝てないものです。』 ・『サッカー日本代表の全盛期を語るには日本のサッカー史は短すぎるし、今も強い選手が増え続けています。』
「全盛期」の類語
「全盛期」の類語には、以下の言葉があります。
・『ピーク』……物事・人物の調子が一番良い状態。実力・勢力などが、これ以上ない頂点に達していること。
・『絶頂(ぜっちょう)』……これ以上の高いレベルを想定することができない頂点・ピーク。最高に力や人気を持っている状態。
・『クライマックス』……精神的な盛り上がりが最高潮に到達している状態。物語や映画、試合などの最大の山場。
「全盛期」の対義語
「全盛期」の対義語には、以下の言葉があります。
・『衰退期(すいたいき)』……能力・実績・評価などのピークを過ぎて、衰えて落ちていく時期。
・『絶不調(ぜっふちょう)』……これ以上ないほどに調子や状態が悪いさま。
「最盛期」の意味
「最盛期(さいせいき)」とは、「ある個人・組織・国家などの実力・勢力がもっとも振るっている時期」を意味しています。
「最盛期」というのは、「もっとも盛んで一番勢いのある時期」を示している言葉なのです。
「最盛期」には、「現時点においても、一番大きな力や人気を保っている」というニュアンスがあります。
「最盛期」の言葉には、それ以外にも「青果物の刈り入れ・出荷がピークに達する忙しい時期」という意味合いも備わっています。
「最盛期」の使い方
「最盛期」の使い方は、「勢い・実力・成績などが一番盛んで充実している時期」を意味して使うというものです。
その使い方を用いて、「その投手は最盛期には150キロ近いストレートを投げることができました・帝国の最盛期は10年にも満たないものでした」などの文章で使えます。
また「最盛期」は、「フルーツや野菜の出荷が一番多くなる時期」の意味でも使うことができます。
例えば、「ブドウを摘み取る最盛期には家族総出で作業をしています」のような例文で使用されるのです。
「最盛期」を使った例文
・『50歳を過ぎて体力は落ちましたが、人間としての最盛期はこれからだと思っています。』
・『かつて中国の最盛期は近代化以前の王朝時代にあると思われていましたが、現在進行形で発展を続けています。』
・『読売ジャイアンツの最盛期は、王貞治・長嶋茂雄が活躍したON時代だというオールドファンも大勢います。』
・『冬の季節が近づいてくると、ミカン農家にとっても稼ぎ時の最盛期になってきます。』
・『キャベツ出荷の最盛期のはずなのですが、新型コロナによる外食産業の需要減少で供給がダブついています。』
「最盛期」の類語
「最盛期」の類語には、以下の言葉があります。
・『最高潮(さいこうちょう)』……興奮や緊張などでもっとも精神的に盛り上がっている状態。
・『黄金期(おうごんき)』……一番能力や調子が充実していて、これ以上望むことがないような素晴らしい時期。
・『ハイシーズン』……旅行・観光などのジャンルで、予約が増えてもっとも盛り上がる時期。
「最盛期」の対義語
「最盛期」の対義語には、以下の言葉があります。
・『衰亡期(すいぼうき)』……力が衰えていって滅亡に向かう時期。
・『閑散期(かんさんき)』……農業で種まき・管理・収穫・出荷などのやるべき作業がない暇な時期。
まとめ
「全盛期」と「最盛期」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?
「全盛期」と「最盛期」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい場合は、この記事の解説をチェックしてみてください。