この記事では、「悼む」と「偲ぶ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「悼(いた)む」とは?
「悼む」とは、「人の死を嘆き、悲しむこと」という意味を表す言葉です。
「悼む」の類義語には「弔(とむら)う」や「弔(ちょう)する」、「悔やむ」などがあります。
ちなみに、「悼(いた)む」の語源は「痛(いた)む」と同じであり、程度のひどさや甚だしさを意味する「甚(いた)」から派生した言葉とされています。
「悼む」の使い方
「悼む」は動詞として使われています。
「偲(しの)ぶ」とは?
「偲ぶ」とは、「遠く離れた人や場所、過ぎ去った物事などを懐かしく思い出す」、「懐かしむ」、「心が引かれて思いを巡らす」、「慕わしく思う」、「物の美しさへ感心し、味わう」、「賞美する」という意味を含める言葉です。
「偲ぶ」の類義語には同じく「懐かしく思い出す」という意味を表す「懐かしむ」や「顧みる」、「思い返す」や「振り返る」、そして、同じく「心が引かれて思いを巡らす」という意味を表す「恋(こ)う」や「慕(した)う」などがあります。
「偲ぶ」の使い方
「偲ぶ」は動詞として使われています。
「悼む」と「偲ぶ」の違い
「悼む」は「人の死を嘆き、悲しむこと」という意味を指す動詞です。
対して、「偲ぶ」は主に「遠く離れた人や場所、過ぎ去った物事などを懐かしく思い出す」や「心が引かれて思いを巡らす」という意味を指す動詞になります。
したがって、「故人を悼む」=「故人の死を悲しむ」という意味になり、「故人を偲ぶ」=「故人を懐かしく思う」という意味を表します。
「悼む」の例文
・『故人の死を悼んで弔辞を述べる』
・『突然の訃報に、多くのファンが彼の死を悼んだ』
「偲ぶ」の例文
・『昔の写真を眺めながら、故人との思い出を偲ばせた』
・『思わず誰もが心を偲ばせるような映像であった』
まとめ
「悼む」は主に「人の死を悲しむこと」という意味を表し、「偲ぶ」は主に「懐かしく思い出す」や「思いを巡らせる」などの意味を表す言葉でした。