「恩の字」と「御の字」の違いとは?分かりやすく解釈

「恩の字」と「御の字」の違いとは?言葉の違い【2語】

この記事では、「恩の字」「御の字」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。

「恩の字」とは?

いつくしみという意味がある「恩」と、文字という意味合いがある「字」を掛け合わせた言葉が「恩の字」【おんのじ】です。

めぐみや情けといった意味もあり、主に人の内面から出る気持ちに焦点を当てている言葉です。

ただし、正しい書き方は「御の字」であり、「恩の字」は間違った言葉であるため、ビジネスシーンではあまり使われないので使い方に気をつけましょう。


「御の字」とは?

自ら望んだことが現実のものとなり、心から満足するという意味がある「御の字」【おんのじ】が正しい漢字として使われています。

使い方としては、「今月の支出は100万円以下で御の字です」というわけです。

この言葉の由来は江戸時代であり、当時遊女が使っていた「ありんす」という遊里語からきています。

遊女は客から良い物を受け取ったとき「ありがとう」と感謝する気持ちを込めて使った言葉でした。


「恩の字」と「御の字」の違い

「恩の字」「御の字」の違いを、分かりやすく解説します。

「御の字」の書き間違いとして使われているのが「恩の字」です。

「恩の字」を使うときは、何かしてくれた人に対して恩を伝えたいとき使います。

もう一方の「御の字」は自分が理想としていたことがかなった状態で嬉しいといった現実を表します。

「人手不足が解消して御の字だ」といった言い方して、現状に満足する気持ちが込められている言葉です。

「恩の字」の例文

・『上司の助けがあったからこそ、今回の企画が恩の字となった』
・『お金を貸してくれる大家の親切な御の字に幾度となく助けられた』

「御の字」の例文

・『雨が降っていても野球の試合が開始できれば御の字だ』
・『トイレの修理を依頼して50万円で済んだのはまさに御の字だ』

まとめ

どちらも同じ読み方をする言葉ですが、正しく使われているのは「御の字」であり、「恩の字」はあまり使われない誤字であると覚えておくといいでしょう。